東京・下目黒のブリッツ・ギャラリーで、「SUKITA : Photographs from Early Fashion to Rock Icons」展が開催中だ。本展では、写真家 鋤田正義氏の初期ファッション作品とロック・ミュージシャンのポートレートを約30点を紹介している。
鋤田氏は1938年福岡県直方市生まれ、現在87歳。日本写真映像専門学校卒業後、棚橋紫水に師事。大広、デルタモンドを経て、1970年からフリーとして活躍している。
1972年の夏にT・レックスのマーク・ボランやデヴィッド・ボウイを撮影。以降、特にボウイと深い信頼関係を築き、彼を約40 年にわたり撮り続けた。鋤田氏が撮影したボウイ作品は、2013年にスタートしたヴィクトリア & アルバート美術館企画で、世界中で約200万人の観客を動員した「DAVID BOWIE is」展でも展示されている。その他、ドキュメンタリー、ファッション、広告、映画、音楽まで幅広い分野で撮影を行っている。
近年は、海外主要都市で写真展開催が相次いだ。特にイタリアでの人気が高く、ラスペツィア(2016年)、バーリ(2017年)、フィレンツェ(2019年)、サレルノ(2020年)、パレルモ(2020-2021年)、またスウェーデンのストックホルム(2023年)などで大規模な美術館展を開催。またドイツのベルリンでは、2017年にボウイ「ヒーローズ」のLPリリース40周年記念写真展を開催。2019年には、オーストラリアのシドニーで開催された写真に特化したアートフェア「Head On Photo Festival」に招待作家として参加、2025年にはスペイン・バルセロナのFotoNostrumで「Bowie X Sukita」展が開催された。2021 年、待望の回顧写真集「SUKITA : ETERNITY」がイギリスのACC ART BOOKS と玄光社から世界同時発売となり、近年、鋤田氏のキャリアの本格的再評価がアート界で始まっている。

