11月11日、JR東日本は2001年から続く「Suica」のイメージキャラクター「Suicaのペンギン」の卒業を発表。長く愛され、日常に浸透したキャラクターだけにファンやユーザーのあいだで、さまざまな議論が巻き起こっている。
作者である坂崎千春さんは他にも、千葉県の「チーバくん」、ダイハツ工業「カクカク・シカジカ」など多数の愛されるキャラクターを生み出してきた。
宣伝会議では雑誌『ブレーン』で2019年、坂崎さんに「長く愛されるキャラクターの作り方」というテーマで話を聞いている。「Suicaのペンギン」についても言及しており、本記事ではその内容を再掲する(初出:月刊『ブレーン』2019年4月号)。
キャラクターの造形に意図的なものはあまり入れないように
──広告や企業のキャラクターは、どんなところから考え始めますか。
坂崎
:キャラクターのご依頼は、細かく設定が決まっている場合と、「動物っぽいもの」「架空の生き物で」と漠然としている場合があります。最初の打ち合わせでは、「何のためのキャラクターか」「どういうキャラクターを求めているか」を細かくお聞きするようにしています。例えば2019年で11年目になるダイハツの企業キャラクター「カクカク・シカジカ」。これはもともとダイハツのムーブ コンテという車の広告のためのキャラクターでしたが、クリエイティブディレクターから「シカクい眼鏡をかけたシカ」という具体的なイメージをいただきました。

