日本パッケージデザイン学生賞2025、グランプリはバナナの斑点で食べごろを知らせるデザイン

日本パッケージデザイン協会(JPDA)は11月5日、学生を対象にしたパッケージデザインのアワード「日本パッケージデザイン学生賞2025」の結果を発表した。大賞には、専門学校桑沢デザイン研究所2年生の陳楠楠さんの作品「食べごろ動物園」が選出された。

審査員の信藤洋二JPDA理事長(資生堂クリエイティブシニアクリエイティブディレクター)は「シュガースポットの誤解を正し、バナナの食べ頃をスマートに知らせるこのシールは、動物に模様が現れるまで待つ時間もデザインされています。さらに最小の材料で環境負荷を抑えており、アイキャッチ力も高く良く考え抜かれた作品です。動物が真っ黒になる前に食べてあげたくなるのが人情で、フードロスを減らす効果にも期待できるでしょう」と選出理由を述べた。

同アワードは、日本のパッケージデザインの発展と普及を目的として2022年に創設され今回で4回目。今年は「FUN~たのしさは心を動かす。面白さは人を動かす。見て、開けて、贈って、貰って、作って楽しいパッケージをクリエイティブしてください」をテーマに、日本在住で応募時に大学・専門学校に在学中の学生が取り組んだ。

全国の大学・専門学校から858点の応募があった。最終審査を10月28日に行い、「Power(未来を切り開けるか)」「Message(強いメッセージ性はあるか)」「Sympathy(共感できるか)」の審査基準で、大賞1点、金賞2点、銀賞2点、銅賞2点、企業賞6点(フジシール財団賞、王子ホールディングス賞、大阪シーリング印刷賞、寿精版印刷賞、大商硝子賞、ツジカワ賞)、審査員特別賞15点の計28点の入賞作品を決定した。受賞作品は以下の通り(作品名・所属・氏名の順に掲載)。また受賞作品を含めた入賞作品が、『年鑑日本のパッケージデザイン2027』(2027年5月刊行予定)に収録される。

日本パッケージデザイン学生賞2025受賞作品(一部)

大賞
食べごろ動物園(専門学校桑沢デザイン研究所/陳楠楠)

作品コンセプト:バナナは熟成が進むと、シュガースポットと呼ばれる茶色い斑点が現れる。この変化に着目し、バナナのパッケージをデザイン。熟成が進むにつれて、シュガースポットがまるで動物の模様のように見えていく。色の変化を楽しみながら、食べごろのサインにもなるパッケージを提案した

金賞
糸を、本のように(専門学校桑沢デザイン研究所/厳天媛)

作品コンセプト:糸をまとめて保管すると、どんな色や太さだったかわからなくなることがあった。そこで、本のようにめくって楽しめる二つ折り構造を考えた。裏表紙は糸の収納スペース、背表紙の穴から1本の糸を通して特徴をひと目で確認できる。表紙に糸を自由に通すことで模様が生まれ、使う人自身が作品を完成させる楽しさと手仕事のぬくもりを感じられるデザインになっている

しずくリウム(金沢美術工芸大学/近間莉咲子)

作品コンセプト:濡れている傘をビニール袋に入れる提案をしたパッケージ。「ビニールに入れるのがめんどくさくてお店の中を歩いたらあらゆる所がびしょぬれになっちゃう!このビニール袋に入れてお魚さんたちのおうちを作ってあげよう〜!雨もショッピングも楽しんじゃおう♫」と考えてデザインした

銀賞
サーカス団ボール(武蔵野美術大学/藤村優衣)
EXCALIBAR~抜かれし冷剣~(香川大学/山崎樹乃)※ツジカワ賞もダブル受賞

銅賞
石のある暮らし(専門学校桑沢デザイン研究所/溝口のどか)
まるごと気分 贅沢ショートケーキ(専門学校桑沢デザイン研究所/黒澤茉莉)

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