「いい夫婦の日」王道ギフトからDEI、家事シェアまで──記念日が映し出す“企業の姿勢”

「11(いい)22(ふうふ)」の語呂合わせで、1988年に制定された11月22日の「いい夫婦の日」。かつては花束やレストラン予約が中心の“夫婦の記念日”として知られていたが、近年は企業がこの日をどのように扱うかが、ブランド姿勢や社会課題への向き合い方を映し出す指標になりつつある。ギフトや外食で“夫婦の時間”をつくる定番施策が存在感を保つ一方、「夫婦のあり方」を問い直すDEI(多様性・公平性・包括性)発信や、家事分担・ウェルビーイングに踏み込む企業も増加している。本稿では、2024〜2025年の動向を踏まえながら、「王道ギフト・外食系」「調査・制度・社会課題」の2つの潮流から、10の象徴的な事例を紹介する。

王道ギフト・外食は“夫婦の時間”を豊かなものに

花×実用品で“夫婦ギフト”を再解釈する日比谷花壇「いい夫婦の日」特集

日比谷花壇は公式サイトで「いい夫婦の日に贈る」特集を展開し、花束やアレンジメントなどの定番商品を軸に、多様な贈り方を提案している。特徴的なのはへアブラシメーカー「TANGLE TEEZER」とコラボするなど、実用品と花を組み合わせたセット商品の存在だ。従来の“花束=特別な贈り物”という考え方に加え、「夫婦で使える」「毎日の暮らしに寄り添う」といった価値を追加することで、若年層から中高年層まで幅広い選択肢を提示している。また2024年にはライオンの「by me」とコラボして、自由に香りをカスタマイズできる柔軟剤やファブリックミストとのブーケセットも販売していた。

日比谷花壇×ライオン「by me」

花ギフト市場は母の日や誕生日など特定の需要期が目立つが、11月22日も確実にデート日・家族時間として定着しつつある。日比谷花壇のように、毎年確実に情報発信できる企業は、記念日マーケティングの成功モデルといえる。

スイーツで“夫婦のためのご褒美時間”を演出キルフェボン「いい夫婦の日のタルト」

フルーツタルト専門店のキルフェボンは、いい夫婦の日限定タルトを11月16日から23日までの限定で販売する。ガーベラの花びらを思わせるブラッドオレンジ風味のメレンゲをあしらい華やかな見た目は、SNSでのシェアも想定したデザインだ。2024年に初めて「いい夫婦の日」商戦に参入し、人気を博して今年も実施する。

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