魚離れが進むなか、ニッスイは“スイーツ”という切り口から魚の魅力を伝える新たなアプローチを打ち出した。同社は加工食品事業で培ってきた技術とアイデアを生かし、フィッシュソーセージやちくわをチュロスにアレンジしたスイーツ「フィッチュロス」を開発。「さかなの日(11月3~7日)」に合わせて原宿で体験型イベントを行い、若年層に魚の新しい楽しみ方を提案した。
10月30日〜11月7日の期間中には約5700食を提供。来場者は20〜30代が中心で、最大60分待ちの行列ができたほか、多くのメディアに取り上げられるなど大きな反響となった。
魚離れが進む中での新提案
背景には、日本国内における魚消費量の減少がある。1人あたりの魚介類消費量は、2001年の40kg超から2023年には約21kgまでほぼ半減している(出典:水産庁『令和5年度水産白書』)。
「GOOD FOODS for YOU」を掲げるニッスイは、こうした状況に対し、若い世代が日常的に触れるスイーツの文脈で“魚”の可能性を伝えることを狙った。
“たまごフリー”発想がチュロスにつながる
同社は2003年から練製品や魚肉ハム・ソーセージで「たまごフリー」製品を展開してきたが、今回スイーツとしてチュロスを選んだのも、この発想に基づく。チュロスは本場スペインでは卵を使わないレシピが一般的であり、スイーツの中でも“たまごフリー”と相性の良いカテゴリー。そこに着想を得て、開発が進められた。
イベントでは、「おさかなのソーセージ」と、ちくわ「おいしいものをちょっとだけ」を使用した「フィッチュロス」と、8種類のソースを用意。来場者は好みの2種類を選び、ディップして楽しんだ。
開発段階で考案された30種のソースの中から厳選。レーズンバタークリーム、レモンクリーム、いちごのコンフィ&ホイップ、抹茶ティラミス、チョコレート、アイオリバジル、たくあん&クリームチーズ、わさびクリームの計8種を展開した。
原宿らしい世界観を演出
会場となったハラカド屋上テラスには、「おさかなのソーセージ」「おいしいものをちょっとだけ」、そしてフィッチュロス2種をモチーフにした巨大オブジェを設置。ファッショナブルなビジュアルを用いることで、来場者が思わず写真を撮りたくなる空間を演出した。
また、会場への動線設計や商品受け取り後にも楽しめる仕掛けを盛り込み、SNSでの投稿を促す体験設計とした。
会場の様子。
来場者参加型のアイデア募集企画も実施
また、来場者参加型施策として「魚がもっと食べたくなる“新しい食のアイデア”」を募集。応募した来場者には、オリジナル巾着をはじめとしたノベルティがプレゼントされた。若年層がイベントをきっかけに魚食へ関心を持つ、行動の接点を生む取り組みとなった。
魚の形のプレートに、食べ方のアイデアを記入すると、ノベルティの巾着がもらえる。
スタッフリスト
企画制作
サン・アド、読売広告社、TOW、サニーサイドアップ
CD
神山星
| 企画 | 小澤凱 |
| C | 藤村君之 |
| AD | 福地掌、久保あずさ |
| D | 久永ひな |
| Pr | 小原淳平、丸山博之、木岡秀樹、石丸昌英、水越柊斗 |















