音声AIでアニメやドラマの多言語化推進、業界団体立ち上げ 企業CMやメッセージ動画も対象に

「声の海賊版対策」と「多言語化」を同時推進

11月19日に「声の保護と多言語化協会」(VIDA)のキックオフ記者会見が東京都内で実施された。同協会は、音声AI技術を活用してアニメやドラマの多言語展開(翻訳・吹替)を推進するとともに、声優・アーティストの「声の権利」を守ることを目的とする団体。音声AIサービスや技術を提供する「ElevenLabs(イレブンラボ)」に加え、声優事務所「81プロデュース」、「area358」、「日本音声AI学習データ認証サービス機構」(AILAS)が協業する。

アニメ作品にとどまらず、企業広告やCMの多言語化にも対応する方針で、将来的には企業の海外進出支援にもつながる見込みとしている。設立申請はすでに終了し、現在は手続きを進めている。

「声の保護と多言語化協会」(VIDA)のキックオフ記者会見

2002年から2024年にかけて、関連グッズなどを含む「広義のアニメ市場規模」は拡大し、2024年には約3.8兆円に達した。海外売上の伸びが顕著で、世界各地のアニメイベントでは日本の声優が高い人気を誇る。

声優本人の声のまま多言語化するニーズが高まっており、AIによる翻訳への期待が大きい。特に南米は市場拡大が進む一方、現地視察費用などのコストが高く、ビジネス成立が難しいため、AIによる市場拡大が期待されている。

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