11月29日。語呂合わせで「いい肉の日」とされるこの日は、奇しくも忘年会シーズンの号砲が鳴るタイミングと重なる。 クライアントとの会食、チームの決起会、あるいは疲弊した自分へのインセンティブ。肉料理は単なるタンパク質の摂取ではない。それは「生命力」というKPIを最大化するためのソリューションだ。
今回は、年末の会食にも重宝する「とっておきの肉料理」を味わえる6店を厳選。それぞれの店舗が持つコンテクストや、そこから得られるクリエイティブな学び(肉の蘊蓄)を添えて紹介する。
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「幻」をD2Cで届ける。生産から逆算された“香り”のUX
焼肉神石 西麻布店(西麻布)
西麻布の星条旗通りから一本入った路地。看板のない隠れ家のような佇まいは、まさに業界人が好む「あえて語らない」ブランディングだ。ここで提供されるのは、広島県神石高原町で育てられた固有血統の「神石牛(じんせきぎゅう)」。市場流通わずかなこの「幻の牛」を、自社牧場から直送するD2C(Direct to Consumer)モデルで提供している。
特筆すべきは、肉の「香り」への執着だ。和牛特有の甘い香気成分「ラクトン」や「バニリン」は80℃で気化し、最大のポテンシャルを発揮する。ここではカウンター席限定で、スタッフがそのピークタイムを計算し尽くして焼き上げてくれる。口に含んだ瞬間、鼻腔に抜ける香りは、まさに計算されたコピーライティングのように鮮烈だ。
■クリエイティブ的学び
垂直統合が生むストーリーテリング 生産から提供までを一気通貫させることで、ブランドの純度(ナラティブ)を希釈させずに顧客へ届ける強さがある。
五感のタイムマネジメント 「焼く」という工程を単なる調理ではなく、香りが開く瞬間の「体験提供」へと昇華させている。
■会食ネタのスパイス
「和牛の香りは、実は桃やココナッツと同じ成分(ラクトン)が含まれているんですよ」。この一言で、無骨な焼肉の場に少しだけフルーティーな話題を提供できるかもしれない。
陸と海の旨味をクロスオーバーさせる「編集力」の妙
牡蠣と肉 あざぶいろは(麻布十番)
麻布十番の喧騒を離れ、大人の落ち着きを放つ一軒。店名が示す通り、ここのコンセプトは「牡蠣」と「和牛」の共演だ。一見、主張の強い両者だが、ここでは見事なマリアージュ(編集)がなされている。
