国任せでは守れない命 「クマ戦争」に参戦する日本企業 有効なのはAIか、ドローンか、それとも保険か

自治体のクマ対策を多方面で支援

今年もいよいよ終わりが近づいてきた。SNSでは2025年を表す「今年の漢字」として「熊」を挙げる投稿が相次ぐなど、クマ被害の増加が印象に残っている人も多い。国は改正鳥獣保護管理法の施行や対策パッケージの展開を進めている一方、依然としてハンター不足や地方の過疎化という根本的課題は解消されておらず、制度面の整備も十分とは言えない。クマの排除を求める声が強まる一方、共生を望む意見もあり、国内世論も分かれている。

こうした状況の中、自社技術をクマ課題の解決に生かそうとする企業が増えている。保険、ドローン、AIなど、多様なクマ対策商品やサービスについて取材した。

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環境省のデータによれば、クマによる人身被害は2016年度に105人だったが、2019年度157人、2020年度158人と推移し、2023年度には219人で過去最多を記録した。2024年度は85人とやや減少したが、2025年度は9月末時点で108人(9人死亡)に達した。

こうした状況の中、「改正鳥獣保護管理法」が9月1日に施行された。人の生活圏で危険が高い場合、市町村長の判断で猟銃による「緊急銃猟」を実施できる仕組みが新設された。環境省が公表した自治体向け運用ガイドラインでは、市町村の責任の下で緊急銃猟を行う旨が示されている。警察庁通知でも、緊急銃猟の実施主体は市町村長であることが明記され、損害賠償責任の所在も明確になった。

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