カレンダーアプリでミドルファネルを捉える! TimeTreeと電通の未来志向マーケティング

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」の広告プラットフォーム「TimeTree Ads」が、2018年のリリースから7年を迎えた。同社は2024年11月より電通との協業を開始。カレンダーに登録される「未来の予定データ」の価値を最大化すべく、新たな広告商品の共同開発を推進してきた。今回のプロジェクトを牽引する4名に話を聞いた。

TimeTreeの独自性と「未来の予定データ」の価値

―「TimeTree」と「TimeTree Ads」についてお聞かせください。

新保:「TimeTree」は世界で6900万ユーザー※に利用されている共有カレンダーアプリです。「TimeTree
Ads」は一言で言うと、“未来志向のプラットフォーム”。ユーザーが少し先の未来に意識が向くモーメントと、アプリに蓄積された「旅行」「動物園に行く」といった確定した未来の予定データをかけ合わせることで、新たな広告価値を提供しています。

※ 2025年10月時点

福田:一般的なデジタル広告が過去の行動履歴に基づいたアプローチであるのに対し、「TimeTree
Ads」はこれから起きることを先回りして、提案できる点に大きな価値があります。例えば、「プロポーズ」の予定後には「顔合わせ」「式場探し」などの予定が入るなど、ライフイベントの軌跡に沿って最適なタイミングでアプローチができるのです。

議論を重ねたのは「Key Understanding」

―電通との協業の背景について聞かせてください。

高井:過去にもマーコム領域での取り組みはありましたが、「広告領域だけでは成し得ない大きな成長カーブを描きたい」とご相談いただいたのがきっかけです。電通は現在、統合的な成長パートナー(IGP)として、メディア領域だけでなく事業ドメインのトランスフォーメーション支援を行っており、その一環として、広告商品を一緒に開発するというところからスタートしました。

松野:広告商品のスペック、例えば「どの面に掲載するか」「いくらで売るか」といった議論ではなく、まず「TimeTreeの価値とは何か」を突き詰めることに、多くの時間を費やしました。多様な施策を統合的に見て、フラットな視点で媒体を選定するマーケティング担当者やプランナーに選んでもらうためには、その本質的な価値を定義する必要があったからです。我々はその価値を「Key
Understanding」と名付け、最終的に「一人ひとりの“未来”イベントの近くにメッセージを届けることができる」という一文にたどり着きました。

―「Key Understanding」とは、具体的にどのような概念なのでしょうか。

福田:単なるコンセプトではなく、プランナーがクライアントに対して「なぜこれが良いのか」を自分の言葉で力強く説明できる“腹落ち”の強さまで含めて定義しています。これを軸に媒体資料やセールスシートも組み立てていきました。

新保:これまで表現してきた独自性が「未来」という次元の高い言葉で再定義され、当社自体の、新しいメッセージの軸にもなっています。

2つの広告メニューと新KPI「未来行動リフト」

―共同開発された具体的な広告メニューについて教えてください。

新保:「日付認知広告」と、予定を基にターゲティングする「未来行動ターゲティング」の2つです【図表】。前者は日付が重要なプロモーションで効果を発揮します。例えば、ECサイトのセール告知などで日付認知のリフトや高いROASを記録しています。

後者はユーザーの未来に関連する情報として届くため、受容度が高いのが強みです。引っ越しにシーリングライト、など独自かつ精度の高いターゲティングができます。

松野:特定業種に限らず、「日常の予定のすべてに関連するサービス」にフィットします。例えば金融なら「保険の相談」、飲食なら「外食の予定」など、あらゆる予定データが「TimeTree」には蓄積されており、プランニングの柔軟性も高いと強く実感しています。

図表 主な広告メニューの特長

「日付認知広告」では、開始日当日、カレンダーの日付の上で10秒ほどのアニメーションを表示できる。業種を問わず、「いつから始まる」「この日までに申し込むとお得」といった期間や締め切りが重要なプロモーション全般に強く、過去には参議院選挙の投票日を告知する企画を実施したこともあるという。

―最後に、今後の展望をお聞かせください。

高井:「未来の予定」は、実際の行動に限りなく近い指標だと考えています。実際、あるテーマパークに行く予定を入れた人の95%が、実際にその場所を訪れていたという外部データとの突合結果もあります。この価値を基盤に、今後さらに新しいアプローチを考えていきたいと思っています。

松野:我々は今、「TimeTree」ならではの新しい効果指標として「未来行動リフト」を提唱しています。これは、広告に接触したことで、その商品やサービスに関する予定がどれだけ登録されたかを計測するものです。広告を見て検索する「検索リフト」よりも、さらに実際の行動、つまりコンバージョンに近い指標であり、これまで可視化が難しかったミドルファネルの効果測定に新たな基準をもたらすものだと考えています。

新保:今後はこの価値をより多くの方に知っていただき、その効果を実感していただきたい。2、3年後には、主要なプラットフォームと並んで選ばれる存在になることを目指しています。

お問い合わせ

株式会社TimeTree

住所:
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目18-1 住友不動産新宿セントラルパークタワー18階
Mail:
ads-sales@timetreeapp.com(広告主様)
ads-agency@timetreeapp.com(広告会社様)

URL:https://timetreeapp.com/intl/ja/ads

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