リーダーシップ習得の最後の砦! あなたたちのためのリーダーシップとは?
「アドタイ」読者の皆さんと「リーダーシップ」について考える本連載も4回目です。この連載では、私が本物のリーダーシップに不可欠な3大能力と考える「考」「響」「伝」について解説してきました。
改めて「考」「響」「伝」をおさらいしてみましょう。
・「考」:どんな状況でも継続して結果を出し続ける戦略的思考能力
・「響」:心に響き、圧倒的共感と行動を喚起する、コミュニケーション能力
・「伝」:個人、チームの成功を再現性のある”型”にして伝える能力
これまでのコラムで、「考」と「響」は解説してきました。今回は、リーダーシップ習得の最後の砦!最も難易度の高い「伝」について解説していきます。
ちなみに初回のコラムで触れましたが、私が「考」「響」「伝」と分けた理由は、「誰の成長のためのリーダーシップなのか?」ということと関係します。簡潔に言えば「考」は「私」の成長のためのリーダーシップです。部下や後輩などチームを率いる状況になくとも、戦略的思考能力を持たなければ、自分自身が進むべき方向すら、わからずに迷子になってしまいかねない。ですから「私」の成長のためのリーダーシップが必要であり、それが「考」の章で説明した内容です。
次の「響」とは、「私たち」の成長のためのリーダーシップ、つまりはチームとして機能するために必要なリーダーシップスキルで、「考」のIから「響」のWeへと主語が変わります。
そして最後の「伝」は、私でも私たちでもなく「あなたたち」のためのリーダーシップです。主語から「私」という視点が抜けて、他者の成功のために心血を注げる状況となることです。つまりは、「伝」の能力とは、自分を忘れて他者のために向き合う姿勢であり、自己から利他へのシフトとも言えます。それゆえ、私が「最後の砦」とお伝えしたように「伝」を身に着けるには、自己認識(肯定)力、自己管理力、自発的モチベーション力、共感力、まず自分自身が“変化”になる力などを習得する必要があります。
ちなみに私がかつて、所属していたP&Gには「5E」という言葉がありました。5つのリーダーシップの行動指針を明示したもので、その5つを以下に紹介します。
・Envision: これから進むべきビジョン、方向性を明確に策定する力
・Engage:ビジョンが自分事になるよう肚落ちさせるコミュニケーション力
・Energize:ビジョン達成のために全員が貢献できるよう熱意を注ぐ力
・Enable:自分だけではなく、部下・チームが大きな成功を収めるためのリソースとなる力
・Execute:ビジョンを遂行する強力な実行力
この5つのEの中でも、今回紹介する「伝」は4つ目の「Enable」に該当するものだとお考え下さい。