忘年会シーズンに備え
ヤッホーブルーイングは、飲酒者向けの防災啓発プロジェクトを始動した。第一弾では、居酒屋やバーなど酒類を提供する飲食店向けに「酒場のための地震防災ガイドライン」を策定。さらに、酒場の騒音下でも声が届きやすい高い音声に変換する防災用電子メガホン「キコエール」を飲食店に無償貸与する。また、12月4日と9日に「YONA YONA BEER WORKS」新宿東口店で、飲食店スタッフ向けの防災セミナーを開催する。
(左から)備え・防災アドバイザー/BCP策定アドバイザーの高荷智也氏、ヤッホーブルーイングの河津愛美氏、日本音響研究所の鈴木創所長
ヤッホーブルーイングは、1997年に長野県軽井沢町で創業したクラフトビールメーカー。「南海トラフ地震」の発生リスクが高まる中、飲酒時には判断力や運動能力が低下し、災害時の危険が増すという課題がある。こうした状況に対応するため、同社は「お酒好きのための防災プロジェクト」を立ち上げた。
防災対応で特に重要となる「安全確保のための声かけ」に着目。今年防災士の資格を取得したというプロジェクトリーダーの河津愛美氏によると、過去のイベント経験から、賑やかな店内ではスタッフの声が届きにくく、酔った客には内容が伝わりにくいという課題を把握していたという。
飲食店への調査でも、酔客への声かけには「指示が伝わらない」「動いてくれない」「声のかけ方が分からない」といった難しさがあることが分かった。課題は、「適切な声かけ方法が分からないこと」と「騒音下で声が届きにくいこと」の二点に大別された。
これを踏まえ、同社は「酒場のための地震防災ガイドライン」を策定した。内容は、酔客に伝わりやすい声かけのポイントとして、短く明確に伝える、一文を一度で伝える、具体的に指示する、断定的な命令口調で話す、危険を明確に示す、ゆっくり話す、そして繰り返すという七つの要点で構成されている。
さらに、店舗の建物や立地条件に応じて内容を変更できるよう、2432通りのガイドラインを自動生成する仕組みも整えた。「店舗が危険や対策を考えるきっかけとして活用してほしい」としている。
