日本の文化とエンターテインメント産業の将来をテーマにしたイベント「WEAVE JAPAN 2025」(BEYOND 2020 NEXT FORUM実行委員会主催)が11月25日、東京・日比谷の東京ミッドタウン日比谷で開かれた。日本が有する地域文化や精神性をエンタメの力で再構築し、世界に届けることを目的とし、国内外で存在感を高めるための知見が交わされた。
官民が縦横の糸で編み、強靭な日本産エンタメを生み出す
開会に先立ち、内閣府副大臣でクールジャパン戦略や知的財産戦略推進を担う鈴木隼人衆議院議員が登壇した。鈴木氏は、日本には地域文化、伝統技術、ものづくりの精神など世界に誇れる資源が存在するにもかかわらず、その価値が十分に活かされていないと指摘した。エンターテインメントと結びつけることで潜在価値が開花する可能性に触れ、「行政だけでなく民間、教育機関、地域と連携し、文化とエンタメが成長できる環境づくりを進めたい」と述べ、官民一体の取り組みが欠かせないとの認識を示した。
内閣府副大臣の鈴木隼人衆議院議員が挨拶
続いて、脚本家の小山薫堂氏がビデオメッセージを寄せた。小山氏は大阪・関西万博でテーマプロデューサーを務めた経験を振り返り、人々の心を未来に向けさせるためには「同じ感動を共有すること」が不可欠だと語った。物語が人々をつなぎ、地域文化や伝統をエンタメが束ねることで新しい魅力が生まれるとし、「この場をきっかけに、人と人がつながり、日本の未来を編む力にしてほしい」とイベントタイトルのWEAVE(編む)にかけて呼びかけた。
アニメの海外の収益回収率は5.9%にとどまる
オープニングセッションでは、経済産業省 商務・サービス政策統括調整官の江澤正名氏と、クリエイティブディレクターの高崎卓馬氏が「世界における日本の文化とエンタメの現在地」をテーマに意見を交わした。
