イートインや書籍棚に代わる新たな集客策としても期待
ファミリーマートは新たな事業戦略「あそべるコンビニ」を打ち出した。全国約1万6400店舗のリアルな接点と、同社の公式アプリ「ファミペイ」が保有する顧客データを掛け合わせ、IPコンテンツの発信拠点として「リテールエンターテイメント」の実現を目指す。アニメやゲーム、スポーツなどのコラボだけでなく、クリエイターが自身の作品を使ったグッズ販売や販促を支援する「C2C」サービスも充実させていく。
これらのエンタメ戦略は競合のコンビニや小売店との差別化を図る狙いがある。各種IPとの連携は競合他社も実施しているが、同社は個人のクリエイターも含む「発信の拠点」として店舗やデータ資産などのインフラを開放していく点において独自性がある。
「あそべるコンビニ」施策を体験できる「ファミフェス2025」
ファミリーマート店舗の1日の総入店客数は1800万人にのぼる。デジタル面では公式アプリを通じたファーストパーティデータ(ID)が3000万人、提携データを合わせると5000万人規模の基盤を持つ。さらに、全国1万1000店舗にはリテールメディアとして活用できるデジタルサイネージ「FamilyMartVision」を配備している。
細見研介社長は「リアルとデジタルの両面を併せ持つ独自のインフラが整った」とし、この強固な基盤の上に良質なIPコンテンツを乗せて発信していくことが次なる一手だと説明する。
アニメ、ゲーム、「推し活」といった日本文化をコンビニに取り入れることで、世界への発信拠点となることを狙う。細見氏は「コンビニは単に便利なだけでなく、楽しさや驚きを提供する『リテールエンターテイメント』の場へ進化していくべきだ」と意気込みを語った。
「8つの遊び方」で来店動機を創出
12月17日に実施したメディア向け発表会で、「遊べるコンビニ」を実現する「8つの遊び方」を発表。すでに取り組んでいる施策や2026年実施予定の取り組みを紹介した。
