ユーザーの安心安全の保護とウェルビーイングを推進
TikTok Japanは12月15日、メディア向けに「安心安全への取り組みに関する報告会」を開催した。国内の月間アクティブユーザー数が4200万人を突破し社会的な影響力も増す中、同社はユーザーの保護に注力している。2025年は「ペアレンタルコントロール」機能の強化をはじめ、昨今問題視されるオンライン詐欺対策、EC機能「TikTok Shop」における違反検知など、多角的な取り組みを展開した。
TikTok Japanが2月に開催した「偽・誤情報対策ワークショップ」
報告会では、2025年に実施したセーフティ関連のアップデートについて解説があった。特に力を入れたのが、保護者が子どものアカウントの安全設定を管理できる「ペアレンタルコントロール」機能の強化だ。3月には「メンタルヘルス」の観点から、保護者が指定した時間帯に子どもの利用を制限する「休憩タイム」や、曜日ごとに視聴時間を柔軟に設定できるカスタマイズ機能を導入した。7月には、子どもが動画を投稿した際に保護者へ自動で通知が届く仕組みや、クイズ形式で安全機能を学べる「Well-being Missions」も追加している。
TikTok Japanが実施したオンライン報告会の様子
11月には新たに「時間とウェルビーイング」スペースを導入した。マインドフルネスの考えに基づいた音楽やエクササイズを提供するなど、ユーザー自身が健全にプラットフォームを利用できるよう促すものだ。これに先立ち、8月から9月にかけてコミュニティガイドラインも更新している。禁止事項をより明確化し、各ルールの要点をまとめたセクションを追加するなど、ルールを理解しやすくなるよう改善を図った。
官民連携と詐欺をはじめとした犯罪対策、透明性の確保
7月に米ニューヨークで開催した「Discover and Learn Trust & Safety」
機能面だけでなく、外部機関との連携も深めている。1月には総務省が主導する官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」に参画した。2月にはその一環として、12組のTikTokクリエイターとともに「偽・誤情報対策ワークショップ」を開催。ワークショップで学んだクリエイターが偽・誤情報対策に関する啓発動画を作成し、TikTokで発信する取り組みも行われた。
特に近年、オンライン詐欺や闇バイトのような犯罪行為にデジタルプラットフォームが悪用されるケースが増えていることを踏まえ、捜査機関との連携も強化した。これまでも外部機関と協力してきたが、新たに詐欺等の犯罪行為に利用されたことが認められたアカウントについて、捜査機関から直接TikTokへ情報提供を受け付けるチャネルを開設した。特に未成年に影響が大きい犯罪に関しては、捜査機関への協力を深化させている。
海外での取り組みとして、7月にはニューヨークで親子クリエイターやNGO、専門家が参加するイベント「Discover and Learn Trust & Safety」を、11月には韓国・ソウルでアジア太平洋地域の専門家やクリエイターが集う「APAC Safety Summit」を開催した。
また、透明性を担保するための施設「透明性・説明責任情報公開センター(TAC)」も紹介された。TACはダブリン、ロサンゼルス、シンガポール、ワシントンD.C.の世界4拠点に設置されており、メディアや専門家がコンテンツモデレーションの仕組みなどを直接見学・体験できる施設だ。2024年には合計1000人以上が来訪したという。
「TikTok Shop」の安全性と未成年保護の徹底
6月30日に日本でローンチした「TikTok Shop」では、ユーザーの安心安全を最優先事項としている。「商品・販売者の厳格な審査」「AI検知とコミュニティ報告による違反の検出・削除」「購入者保護の強化」の3つが柱だ。「TikTok Shop Safety Report」によると、2025年上半期のグローバルデータとして、約140万件の販売者登録申請を却下し、7000万件以上の商品リストを掲載前に却下した実績がある。
長時間視聴や興味関心の偏りを防ぐ仕組みも導入済みだ。「ペアレンタルコントロール」機能や「スクリーンタイム管理」機能に加え、「おすすめ」フィードにおいても同じコンテンツの繰り返しを防ぐ工夫が凝らされている。例えば、同じ楽曲や同じクリエイターの動画が連続して表示されることはない。また、ユーザー自身が「興味ありません」と意思表示したり、「おすすめ」フィードをリセットしたりすることも可能だ。
セーフティ機能の認知向上に向けた取り組みも推進しており、11月28日には新テレビCM「安心は、設定できる。」の放映を開始した。タレントの藤本美貴・庄司智春夫妻を起用し、「親子篇」と「コンテンツ篇」の2種類を展開。TikTokが提供する安心・安全機能への関心と認知を高める狙いだ。
藤本美貴・庄司智春夫妻出演の新テレビCM「安心は、設定できる。」
テレビCMだけでは伝えきれないセーフティ機能を紹介するため、人気クリエイターとの共創企画も展開している。同施策には「ゆきんこ親子」や「かずえ」といったTikTokクリエイターが参画し、それぞれが今後セーフティを題材にしたコンテンツを順次TikTokに投稿していく予定だ。
ゆきんこ親子氏は「SNSの怖さも経験しているからこそ、親としての気持ちを交え、子どもとの日常会話を通じて動画を制作したい」と強調。かずえ氏は「堅苦しい動画はスクロールされてしまうので、普段の生活を切り取ったような共感しやすい動画を作りたい」と語った。
TikTok Japan広報責任者のサーカー壽梨氏は最後に、「今後もTikTokは安心安全を最優先事項として取り組んでいく」と述べ、報告会を締めくくった。プラットフォームの成長とともにその社会的責任も増す中、TikTokは今後も多角的なアプローチでユーザー保護の強化を続けていく姿勢だ。
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