なぜ明治は正体を伏せたのか? 復活の「カールおじさん」に学ぶ、休眠IPを目覚めさせる話題作りの「仕掛け」

第1弾動画の再生回数は243万回を突破

「それにつけてもおやつはカール」というフレーズのCMでおなじみの「カールおじさん」。明治のスナック菓子「カール」のイメージキャラクターとして長年にわたって親しまれてきたが、2017年の販売エリア縮小以降は見かける機会が減っていた。しかし、10月30日から放映された「明治プロビオヨーグルトR-1」のCMで姿を現し、大きな話題を呼んだ。当初、このキャラクターは「アールおじさん」と名乗り、カールおじさんとの関係性は伏せられていたため、SNS上では様々な考察が飛び交った。

その後、12月1日放映の第2弾CMでついに本人であることが明かされ、ネットは大いに盛り上がった。「R-1」のキャラクターとして復活した理由や一度正体を隠した狙いについて、価値創造戦略本部の貝原徹也氏が舞台裏を明かした。

第2弾CM「雪だるま」篇で登場した「アールおじさん」

カールおじさんは、明治が販売するスナック菓子「カール」シリーズの公式キャラクター。正式名称は「おらが村のカールおじさん」で、キャラクターデザインは「ひこねのりお」氏が手掛けている。

実はカールの全国販売が終了する以前の2011年2月を最後に、カールおじさんの新作CM出演は途絶えていた。10月に公開されたCM「秋のお昼寝」篇は実に約14年ぶりの復活だった。

CMでは登場していなかったが、昨年度からは明治の産地支援活動「MCS(メイジ・カカオ・サポート)」の広報役も務めている。こうした社会貢献の象徴としての役割に加え、今回は「人々の体調管理を応援する」という新たな役割を担い、衣装を改めて「アールおじさん」として登場した。親しみやすいコミュニケーションを通じて、健康管理の大切さを全国に広めていくことが狙いだ。

10月に公開されたCM「秋のお昼寝」篇

第1弾CMの公開後、SNSでは懐かしむ声や驚きのコメントが相次ぎ、動画の再生回数は主要プラットフォーム合計で約243万回に達した。貝原氏によると、40代以上からは「子供の頃を思い出した」という声、若年層からは「レトロでかわいい」という評価が寄せられており、幅広い世代でブランドへの親近感が高まっているという。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ