マンガ×AIの未来像──創造性と倫理のはざまで【後編】

つまり…一次創作者たちは自身のIPを守るために、AIによる動的な変化についてガイドラインを示すようになるのでは。

AIと作家性──創作の本質はどこにある?

永く愛されるマンガは、どのようにしてそうなったのだろう。『ゴルゴ13』の事例は示唆的だ。さいとう・たかを先生は早くから分業制を導入し、映画制作のように各行程で専門家が関わる仕組みを作った。すなわち、脚本家が作った脚本からコマワリをしてコマごとの大まかな構図を指示した後に、作画のスタッフに渡すのだ。ただ、さいとう先生の名誉のために断っておくと、前編で述べた「描いていないパターン」はさいとう先生には当てはまらない。先生はまったく絵を描いていないわけではなく、主要な人物は自分でできるだけ描いていた。読者に届ける作品として絵にも自分の責任があると考えていたのであろう。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 1710 / 3076 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ