なぜ「TSUBAKI」はTeadsを選んだのか アテンション創出で切り拓くブランド認知の次のステージ

現在のインターネット広告市場は、「8:2」で表されることがある。8割を占めるのが、「ウォールドガーデン」といわれる巨大プラットフォーマーらによる閉鎖的なエコシステム空間。そして残る2割が「オープンインターネット」だ*1
 
消費者のメディア滞在時間は、ウォールドガーデンよりもオープンインターネット上のプレミアムメディアの方が長いとの見方もある。その活用こそが、広告成果を左右する重要な鍵といえそうだ。
 
成熟・飽和が続くヘアケア市場において、従来型のヘアケア訴求にとらわれない広告施策で成果を上げたのが、ヘアケアブランド「TSUBAKI(ツバキ)」である。オープンインターネットの草分け的存在である、Teadsのインリード広告を活用し、ブランドリフトの向上とシェア拡大を実現した。
 
ファイントゥデイの森屋遥貴氏、サイバーエージェントの塚田真希氏、Teads Japan の金澤史帆氏に、その成功の背景を聞いた。

*1:The Trade DeskとKantarによる2023年度の調査より

30~40代に向けた購買動機の創出に取り組む

「TSUBAKI」は、「ジャパンビューティー(日本発の美しさ)」をコンセプトの中心に据えたロングセラーのヘアケアブランド。「いつまでも自分らしい美しさで、しなやかに生きていきたい」と願う女性を中心としたユーザーに支えられている。2006年に資生堂から発売され、現在は同社からパーソナルケア事業を引き継いだファイントゥデイの主要ブランドのひとつだ。

写真 商品・製品 TSUBAKI

TSUBAKIの認知度は高い。発売当初、多くの女優を起用したインパクトのあるテレビCMを思い浮かべる人は今も多いという。その一方で、当時のCMのイメージが強いことで、今あえてTSUBAKIを選ぶという動機をつくり出せていないことが課題だった。コアユーザーの年齢層の上昇を受け、30~40代の新たなユーザーを増やしていきたいという思いもあった。

そこで、プロモーション施策の一つとして打ち出したのが、ファッションという切り口だ。TSUBAKIを担当する森屋遥貴氏は次のように語る。

「シャンプーなどのヘアケア用品は必需品として使われる一方、お客様の髪に関しての関与度は二極化の傾向にあります。美しさに興味を持つTSUBAKIのお客様も同様で、年齢を重ねていく中で髪の艶の低下などは感じているものの、スタイリングにはそれなりに興味を示しつつ、髪そのものへはあきらめを感じている方が多い現状です。ただ、ファッションを楽しむことへのモチベーションは高いということがわかったので、今回はそこに着目し、ファッションを入り口にし、全体をつくり出す一つの要素として『艶(ツヤ)髪』の価値を伝えようと考えました」

写真 人物 森屋遥貴 氏

ファイントゥデイ 日本事業本部 ブランドマーケティング部 TSUBAKI G アシスタントブランドマネージャー 森屋遥貴 氏

施策のコアに置いたのは、ファッション誌とのタイアップだ。ただ誌面上にとどまらず、オフラインではOOH広告を出稿したほか、オンラインでも「ファッション×モーメント」をテーマに広告を出稿した。その際に利用したのが、Teadsのインリード広告だ。

実データ 広告

ブランドセーフティとリーチを両立

オープンインターネット上でオムニチャネル広告プラットフォームを提供するTeadsは、厳選した媒体のみとダイレクトパートナー契約を結ぶことで、広告主のブランドセーフティを保ち、広告体験を提供している。日本では、2014年からサービス提供を開始し、記事の中に配信面があるインリード型の広告やコネクテッドTV広告、そして2025年2月にOutbrain(アウトブレイン)と合併したことにより提供を開始したインフィード広告の展開を行っている。

Teadsは、パートナー契約のある媒体の中から、配信先のサイトを指定できることも特長だ。「例えば同じカテゴリーでの広告配信であっても、コンテキストに沿ったターゲティングを行いたいのか、それともシンプルにそのカテゴリーに興味を持つ人をターゲティングしたいのかといったブランドの意向を踏まえて、配信面を選ぶことができます」とTeads Japanの金澤史帆氏は説明する。

TSUBAKIでは、戦略に則った文脈での広告配信を目指していたことに加え、もともとのブランドのイメージを守る、リーチの質が高いといった観点から、広告代理店としてTSUBAKIを担当するサイバーエージェントがTeadsをファイントゥデイに提案。Teadsはファッション関連のサイトに多くの配信面を持つこともあって、TSUBAKIの広告出稿を決定した。

サイバーエージェントの塚田真希氏はこう話す。

「単にリーチという観点であれば、より安価に獲得できる媒体はありますが、ただTSUBAKIのようなビューティーイメージを丁寧に届けたい場合は“どこでユーザーに接触するか”が重要と考えます。ながら見が多いSNSなどとは違って、興味を持って読んでいる記事の中に表示されるTeadsのインリード広告は、自然に読者の意識を捉えることができ、質の高いリーチになると考えています」

写真 人物 塚田真希 氏

サイバーエージェント インターネット広告事業本部 チーフアカウントプランナー 塚田真希 氏

TSUBAKIがTeadsのインリード広告への配信を行った時期は、シャンプーとコンディショナーをセットにした数量限定の企画商品の発売タイミングである2025年2月から3月にかけて。またこの時期は、春や新生活を迎えるにあたって、洋服などの身だしなみ全般をきれいにしたい、気分転換を図りたいというモーメントがある。そうしたタイミングも踏まえて広告配信を行うことで、シャンプーブランドのシェアの拡大を狙った。

「ヘアケアを日ごろから気にかけたり、考えたりしているわけではない中で、どう振り向かせていくか。『ファッションや美容の情報収集をするぞ』というモチベーションが高いタイミングに、ファッションと艶髪を絡めたクリエイティブの配信ができるTeadsは我々の戦略と非常に相性が良かったですね」(森屋氏)

ブランドリフトアップやシェア拡大に貢献

施策の事後調査を行ったところ、ファッション好きの層や30~40代というターゲット層の購入意向は向上し、Teadsを活用した広告配信の成果がうかがえたという。

また、発売時のCMの印象のまま刷新しきれていなかったTSUBAKIのイメージについても、旬のファッショントレンドに合わせた広告配信を通じて、話題性や新しさといった印象の変化が見られた。

「イメージの変化だけでなく、最終的にはTSUBAKIのコア価値である「艶髪」に関する機能的なイメージの上昇も見られ、効果としては十分に得られたと考えています」(森屋氏)

リーチ数などの定量的なKPIについても、目標を達成。また、ブランドリフト調査の結果においても、認知と興味喚起にリフトアップが見られた。

「ファッション誌とのタイアップやTeadsによる広告配信だけでなく、IMC戦略(統合型マーケティングコミュニケーション戦略)に基づいた施策全体での結果になりますが、売上シェアも伸長しました。TSUBAKIが市場としている1000円未満の価格帯では、プレミアムラインへの流出などもあり、いずれのブランドも厳しい戦いを強いられており、その中で前年を超える売上を記録できたのは、とても良好な結果だったと捉えています」(森屋氏)

春の新商品が発売されるタイミングとは時期をずらしてプロモーションを打ったことも、こうした成果に寄与したと考えている。

「知名度の高いロングセラー商品は、ブランドリフトが上がりにくい傾向があります。Teadsでも同様の傾向がありますが、今回はTeads単体としてもしっかりと向上していたので、やはりファッション系媒体との抱き合わせの戦略が奏功したのだなと思います。オンライン施策ではどうしてもパフォーマンスにばかり目がいきがちです。広く安価に配信をしたいというご要望もありますが、配信面を適切に選択することでこれほどの効果があったというのは、私たちとしても誇れる成果をお返しできたと思っています」(金澤氏)

戦略的パートナーシップメディア一覧

ロゴ 戦略的パートナーシップメディア一覧

写真 人物 金澤史帆 氏

Teads Japan Sales Manager 金澤史帆 氏

今回の配信では「アテンション」の調査も同時に行っている。

アテンションとは、ビューアビリティーに次ぐ指標として導入された、クリエイティブがどの程度注視されているかを算出する指標だ。Teadsの管理画面はアテンション計測をグローバル展開するLumenリサーチと連携し、インプレッションやクリックの数値と同様に、アテンションも同時に計測可能。日本ではまだ広くは浸透していないが、グローバルでこの指標を評価軸に加える企業が増えている。

今回のTSUBAKIのアテンション時間(APM=Attention Per Mille 1000インプレッションあたりのアテンション秒数)はTeadsのベンチマークと比較し、60%アップしていることが分かった。先述のブランドリフトとこのアテンションの関連性が見えたことも今回のキャンペーンで特筆すべき点といえる。

広告配信の品質は、ユーザーの広告体験に直結し、ブランド価値にも影響する。グローバルでTeadsのインリード広告は視聴時間が11.3秒といわれている。これは一般的に3秒程度とされるインフィード広告の3倍以上にも及ぶ。ブランドセーフティの保障がある環境下で、ユーザーにとって自然な形で注視される広告を掲載できるというのが、Teadsの最も大切にする部分だという。

グラフ Lumenリサーチの調査結果より

Lumenリサーチの調査結果より

図 Teads の4つの柱

Teads の4つの柱

「今回の成功に引き続き、今後もターゲットに向けてTSUBAKIのブランド価値を試行錯誤しながら伝えていき、より多くの方に選ばれるブランドにしていきたいと考えています」(森屋氏)

写真 人物

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お問い合わせ

Teads Japan株式会社

Salesチーム EMAIL:sales-jp@teads.com

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