災害大国・日本の暮らしを支える素材を可視化 人材確保も見据えた太平洋セメントCM

「インターナルブランディング」の効果も期待

太平洋セメントは、同社初となるCMキャラクターとして俳優・歌手の上白石萌音を起用し、新CM「スゴイよセメント」篇を12月1日から放映している。「スゴイよセメント」をキーワードに、CGを駆使した映像でセメントの価値を表現。人材不足に加え、業界全体として国内のセメント需要が減少しているという課題がある中で、近年激甚化する災害への対策や生活基盤を支える素材として、今なお重要な役割を担うセメントの魅力を訴求する狙い。あわせて、就職を目指す若者を中心に同社の認知を広げていきたい考えだ。

写真 カット 上白石萌音を起用した新CM「スゴイよセメント」篇

上白石萌音を起用した新CM「スゴイよセメント」篇

新CM「スゴイよセメント」篇の舞台は、セメントが収められた大きなガラスのキューブが浮かぶ空間。上白石がその前に立つと、セメントは街のビル群や山にそびえるダム、大きな橋、海で折り重なるテトラポッド、世界へとつながる滑走路へと次々に姿を変えていく。上白石は、私たちの生活を支える構造物を形づくる素材としての「セメントのスゴさ」を体感しながら、「私たちの暮らしを固める素材」と語りかける。最後はキューブに手を添え、「スゴイよセメント、太平洋セメント」と伝えた後、「さすが!」と優しく語りかけて幕を閉じる。

BtoB企業である同社がこのCMを放映する背景には、社会インフラを支えるセメントを扱う企業としての存在意義を、より広く伝えたいという意図がある。今回の広告展開を通じて、業界内外における認知向上を目指している。

同社は「セメントは多くの方に知られている素材だが、その特性や可能性はまだ十分に浸透していない。見た目は一見すると普通の粉だが、長年にわたり社会に貢献してきた素材だ」としている。こうしたセメントのポテンシャルをより多くの人に届けたいという想いから、新たに「スゴイよセメント」というキーメッセージを策定した。

このメッセージは、同社のコーポレートマークである楕円形をベースに、日本らしい伝統的な書体で表現している。リーディングカンパニーとしての歴史と誇りを表したデザインだという。

【太平洋セメント】「スゴイよセメント」篇 30秒/p>

上白石をCMに起用した理由について、広報グループ リーダーの森山千秋氏は「映画やドラマ、舞台、ミュージカル、歌手活動、執筆活動など多彩な分野で活躍している点が、セメント事業にとどまらず、資源事業や環境事業、建材・建築土木事業など幅広い領域を展開する当社と重なった」と説明している。PR面では、幅広い年齢層に訴求するとともに、就職を控えた層に向けて同社の名前やセメントの魅力を伝える狙いもある。

同社は現在、人材不足という課題を抱えている。今回のCMには、若年層への認知拡大に加え、既存の従業員が自社に入社したことを誇りに思えるような「インターナルブランディング」の効果も期待している。

近年、国内のセメント需要は減少傾向にある。一方で森山氏は「激甚化する災害への備えや、生活の基盤を支える多くのモノにセメントは使われており、私たちの暮らしに欠かせない素材だ」と強調する。さらに「グローバルな視点で見れば、海外市場にはまだ需要の伸びしろがあり、セメント業界は実は明るい業界だ」とも語る。今回のCM放映には、こうした前向きな雰囲気を醸成する狙いもあり、「就職を控えた若年層の方々にも、明るいイメージを持って当社に応募し、入社してほしい」と期待を寄せている。

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