AIが私たちの日々の暮らしから、コミュニケーションのあり方まで、その前提を大きく変えつつある時代。もはや「売るための広告」はAIが完璧に作ってくれる。そんな時代に、私たち人間は何を仕掛けるべきなのか。「AI時代のその先に挑む、ブランド体験の可能性」が虎ノ門広告祭の3日目の10月19日に開催された。
バスキュール代表取締役朴正義氏、NO MORE Inc. Chief Creative Officer広屋佑規氏、れもんらいふ代表千原徹也氏が登壇。モデレーターは、サイバーエージェント執行役員坂井嘉裕氏が務め、AI時代のその先にある、みらいの体験のカタチ、これからクリエイターに求められるセンスなどについて、それぞれの視点から語り尽くした。
※取材・執筆は、虎ノ門広告祭 学生記者の上野祥太が担当しました。
バスキュール代表取締役朴正義氏、NO MORE Inc. Chief Creative Officer広屋佑規氏、れもんらいふ代表千原徹也氏が登壇。モデレーターは、サイバーエージェント執行役員坂井嘉裕氏が務め、AI時代のその先にある、みらいの体験のカタチ、これからクリエイターに求められるセンスなどについて、それぞれの視点から語り尽くした。
※取材・執筆は、虎ノ門広告祭 学生記者の上野祥太が担当しました。
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左から坂井氏、朴氏、広屋氏、千原氏
なぜ今、リアルな体験が求められるのか?
セッションは「なぜ今、体験なのか?」という根本的な問いから始まった。広屋氏は、「『生きてるな』と実感する瞬間がどんどん希薄になっている。その場限りの体験が何よりも尊いものとして求められている」と指摘。千原氏も「些細なことでも『生きてるな』と感じるのは、リアルな体験でしかない」と同意した。
モデレーターの坂井氏は広告的な観点から、「情報が無限になる中で『信頼』は希少になっている。その信頼性を担保するために、企業やブランドがリアルの価値に注目しているのではないか」と分析した。
最近一番印象に残った体験
登壇者それぞれが「最近一番印象に残った体験」を挙げる中、その事例は、どれもが独自の視点や切り口を示していた。
インターネット時代に「連帯」を生むリアルな体験
朴氏が挙げたのは、「デザインあ展」で中村勇吾氏が手がけた「DO IT!」。「デザインあ展」の最後、みんなで映像を見ながら、手を動かすアクションをすることで、映像が動きにシンクロする体験。朴氏はこれまで、ネットのクリエイティブに向き合ってきたからこそ、「ネットでみんながつながると思いきや、それぞれが好きなものしか見なくなってしまった中、今一番大切なものは『連帯』だ」と語り、「コンテンツがあることで『連帯』という現象を起こせるクリエイティブは最高だ」と「DO IT!」を高く評価した。

