アイデアは学べる。この夏、受けられなかった電通クリエイティブインターンを追体験

インターンシップ優遇、選考直結など就職活動において夏期インターンシップの重要性はますます増しています。しかし「部活や研究で秋冬から就活スタートして夏のインターン受けられなかった…」「夏のインターンが大事と聞いて意気込んで臨んだけど、落ちて受けられなかった…」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。またインターン実施企業も実務を深く知ってもらうためにインターンを受けてほしいものの、席数が限られていて少数にならざるをえないといった事情もあります。そんな双方の悩みを解決するために、本誌ではインターンを追体験できる機会を提供します。2025年8月に開催された電通インターンシップ「アイデアの学校」2025の熱狂クリエイティブコースの座長を務めた有元沙矢香さんに、インターンのカリキュラムやインターンを通じて身につけてほしい視点を教えていただきました。

※2025年9月発刊の『広告界就職ガイド2027』の一部を転載しています。

dentsu zero所属のクリエイティブディレクターの有元と言います。2023年から電通の夏期クリエイティブインターンシップ「アイデアの学校」に携わっています。

アイデアの学校は電通グループGlobal Chief Creative Officerの佐々木康晴さんが校長を務め、広告に限らず世の中の悩みを楽しく解決する鮮やかなアイデアを学ぶ場所として開校しています。アイデアは天才がひらめくものと思っている人も多いと思いますが、そうとは限りません。実は鍛えれば出てくるものです。だから学校という形で、アイデアを出すコツを、使い方を、磨き方を、お伝えしています。

アイデアの学校には3つのコースがあります。表現のアイデア、未来をつくるアイデア、好きを広げるアイデア。それぞれのアイデアを鍛えるために、表現クリエイティブコース(座長・栗田雅俊さん)、未来クリエイティブコース(座長・榊良祐さん)、熱狂クリエイティブコース(座長・有元沙矢香)が設けられています。私はそのうち3つ目の熱狂クリエイティブコースを担当しています。

座長というのは学校で言う学部長のようなイメージ。どんなカリキュラムにすべきか、どんな講師を揃えるべきか。このコースに選択した皆さんに、この夏どんなお土産を持ち帰ってもらいたいかを考えています。

表現・未来・熱狂とコースが分かれていますが、実際の仕事ではどの視点も必要。私自身、表現へのこだわりもあるし、クライアントさんと未来を考える仕事も担当しています。とはいえ、学生の皆さんの興味関心も多様かと思い、コースを分けています。何かを表現したくてたまらない。持続可能なビジネス・事業開発をしたい。コンテンツが好き。人を夢中にさせたい。直観で気になったところを受けることをおすすめします。

と書きつつ、本記事の公開時点ではインターンは終了しています。この記事では、インターンを体験できなかった人に向けて、広く「アイデアの学校」の中身を覗けるようにします。お付き合いいただけますとうれしいです。

アイデアはセンスだけではない

私自身がこれまでの仕事を通じて感じているのは、アイデアは後天的に学べるということ。先天的なセンスがないとアイデアは出ないと思われがちですが、実際は違います。世の中への眼差し。人の心を読み解く力。それらを整理してつなげる視座。このような複合的で鍛えることができるスキルのもとで、アイデアは生み出されます。アイデアへのイメージを解像度高くしてもらい、アイデアを出す楽しさを知ってもらう機会として、アイデアの学校はあります。

3コースとも共通で8日間のカリキュラムです。各コース15人ずつ、計45人が参加します。合同で研修することもあれば、各コースで研修することもあります。熱狂クリエイティブコースでは、ひたすらに課題に向き合います。

8日間で、コース固有の課題6個・全体の課題3個の計9個のアイデア出し課題に取り組んでもらいます。課題は個人で取り組むものが主ですが、表現・未来・熱狂コースごちゃまぜのグループで取り組む課題もあります。多様な考えの学生がアイデアを持ち寄り、化学反応が起きることを体験してもらう狙いがあります。

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