今年デビュー10周年を迎えたMrs. GREEN APPLEのアニバーサリーイヤーを締めくくる企画となる展覧会「MGA MAGICAL 10 YEARS EXHIBITION『Wonder Museum』」が、2025年12月6日にスタート。本展は東京を皮切りに、福岡、大阪の3都市をめぐる。東京会場(TOKYO NODE)の会期は1月9日まで。
本記事では、本展覧会を手掛けたクリエイティブチームが、展示の構想や空間づくりのこだわりから活用したテクノロジーの詳細まで、Mrs. GREEN APPLEのメンバーらとともに込めた想いに迫ります。実際の会場の様子については、記事の後半で画像とともに紹介しています。
目指したのは「ミセスの音楽遊園地」
「Wonder Museum」のコンセプトは、来場者がMrs. GREEN APPLEのすべての楽曲制作・プロデュースを手掛けてきた大森元貴(Vo/Gt)の頭の中、ドキュメンタリーとエンタテインメントが混ざり合う不思議の空間を旅するというもの。
「大森さんは、音楽はもちろんのこと、多岐にわたる表現に興味があるアイデアマン」だと語るのは、本展示会や2025年6月から7月にかけて実施した「CD聴こうよ。」などの企画のクリエイティブディレクターを務める電通の有元沙矢香氏だ。
“10周年という節目にミセスらしい展覧会にしたい”という大森さんの構想から始まった「Wonder Museum」。
「音楽の遊園地」と呼ぶにふさわしい展示や体験の数々。会場を訪れると、ミセスならではの“音楽”の届け方が意識されていることがわかる。
「ミセスにとっての“音楽”とは、単に歌詞や音からなるものではありません。大森さんと企画を詰めていくなかで、ミュージックビデオやライブでの表現だったり演出や届け方も含めて“音楽”、つまりエンタテインメントだということがわかりました。」(有元氏)。
そこで、これまでの楽曲を「展覧会」という体験の場に落とし込み、新たな表現方法でその世界観をより深く体験し、楽しんでもらうことを目指している。
『ケセラセラ』(左)や『ダンスホール』(右)といった楽曲を体験の場に落とし込み、新たな表現に。
テクノロジーはイマジネーションを実現するための「道具」
各楽曲をそれぞれの形で表現し、来場者に体験してもらう設計のこだわりについて、本展のアートディレクションを務めた電通の川腰和徳氏は次のように説明する。
「こだわったのは、『距離感』のデザインです。来場者の視線や動線を細かく想定し、楽曲ごとの世界観が最も魅力的に伝わる空間づくりを目指しています。その一方で、各コンテンツがバラバラに見えないよう、会場空間全体としての“遠くからの見え方”と“近くで触れるときの見え方”が自然に調和するよう設計。どの位置から見ても、来場者が一貫してwonderな体験を得られることを意識してデザインしました」。
さらに、同社 クリエイティブテクノロジストの諸星智也氏が語るのは、本展でさまざまなテクノロジーを使う上で、大森さんと大切にしていたことだ。
「イマジネーションを表現するための『道具』としてテクノロジーを使おうということを、今回大森さんと話していました。ある種、魔法がかけられたような体験の中で、“大森さんの頭の中”を旅してもらうべく、最新技術から古典的な手法まで、あらゆるテクノロジーを組み合わせました。例えば、ペッパーズ・ゴースト(疑似ホログラム)や、人感センサーのような古くからある技術。それらも大森さんのイマジネーションと掛け合わせればみんながワクワクする体験になるし、音楽の新しい楽しみ方の実験がテーマの『QUE SERA SERA GARDEN』では、あえてその『道具』を前に出すことで、挑戦の姿勢を打ち出しています。実際に大森さんと一緒にプロトタイプを使って何度も検証し、テクノロジーを魔法に変えるアプローチを丁寧に探りました」。
「Wonder Museum」というネーミング
また、「Wonder Museum」というネーミングには、大森さんの「ワクワクすることをしたい」という思いが反映されている。
さらに本展では、大森さん、そしてMrs. GREEN APPLEが生み出してきた制作物、その過程に関わる資料の展示などを展示。大森さんとスタッフの打ち合わせの様子を録音した音声も公開している。
「これらの資料は、デビューから伴走してこられたユニバーサルミュージックの村上(葉子)さんというディレクターの方や、ミセスのGeneral Creative
Directorであり、一緒にライブを作られているOTさんをはじめとするチームの皆さんが大事に保管されていて。その貴重な物を今回お借りすることができました」と有元氏は語る。
次のページでは、展覧会の様子を画像とともに紹介します。


