「100年? まだまだ若造ですから。」集英社100周年の元日広告に込めた、未来へ賭ける思想

2026年元日、集英社は創業100周年を告知する新聞広告を朝日、毎日、読売、日経、産経の全国紙5紙に掲載した。掲げられたコピーは「100年? まだまだ若造ですから。」。過去の実績を見せるのではなく、未来への気概を示すこの広告は、なぜ生まれたのか。広告制作を担当した宣伝部の担当者と、100周年記念企画全体の思想を設計した責任者に聞く。

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読売新聞・産経新聞に掲載された広告。『ONE PIECE』のDr.くれは(141歳)、『HUNTER×HUNTER』のアイザック=ネテロ(推定120歳)、『BLEACH』の山本元柳斎重國(2000歳超)、『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨(1000歳超)、『呪術廻戦』の両面宿儺(1000歳超)などが並ぶ

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朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞に掲載された広告

「これから先の未来に勝負をかける」100周年広告のテーマ設定

集英社では毎年、元日に全国紙へ新聞広告を掲載している。これは特定の作品を宣伝するものではなく、総合出版社として、その時代に即したメッセージやスローガンを発信する、いわば意見広告としての役割を担ってきた。

2026年という100周年を迎える節目の年に担当となったのは、宣伝部雑誌宣伝課の三又一泰氏と同書籍宣伝課の伊藤水音氏だ。大きなプレッシャーの中で始まったディスカッションの根幹には、未来に向けた強い意志があった。

三又氏は、「節目だからといって、過去の実績を振り返るばかりじゃなくて、どちらかと言うとこれから先の未来に勝負をかけた、前向きなテーマにしたいという議論があった」と語る。この方向性は、制作チームの共通認識であった。伊藤氏も、過去のレガシーを前面に出すような案もなくはなかったとしつつ、「そういうのは、集英社らしくない」という考えがあったと補足する。

「1000年続く会社でありたい」という意志が生んだコピー

未来志向のテーマをいかに表現するか。議論を重ねる中で、チームの視線は次の100年のさらに先、1000年という時間軸へと向かっていった。

「今後1000年続く会社でありたい、100年で満足していられない、という話があった」と伊藤氏は明かす。この壮大なビジョンこそが、今回の広告のコアアイデアとなった。また、100周年記念ロゴに“0”が3つ入っている点も1000年を意識してのことだと三又氏は説明する。この意志を広告会社とのオリエンテーションで共有した結果、たどり着いたのが「100年? まだまだ若造ですから。」というキーコピーであった。

言葉の持つ強さがチームの心を捉え、まずコピーを先行して決定した。そして、このコピーにふさわしいビジュアルは何か、という次のディスカッションへと進んでいった。

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