ギフティ×宣伝会議「従業員エンゲージメント研究会」を発足 従業員体験の可視化や自分事化に必要なこととは? 実務家が徹底討論

デジタルギフトをはじめとする「ギフト」を通じて、生活者同士はもちろん、企業からエンドユーザーへの“キモチの循環”を生み出してきたギフティ。同社は、その知見を生かし、新たな領域の一つとして従業員エンゲージメント向上においても、ギフトを軸とした価値を企業に提供できないか模索し、「Corporate Gift(※)」サービスの提供を2022年から開始している。

そんなギフティがこのほど、宣伝会議とともに、従業員エンゲージメント向上のための施策のあり方や課題を議論する「従業員エンゲージメント研究会」を立ち上げた。2025年7月から12月の期間に全3回にわたって実施された研究会では、大手企業12社の広報部門や人事部門、サステナビリティ推進部門などから参加したメンバーが意見を交わした。

※企業が取引先・顧客・従業員との関係性構築や強化を目的に、感謝の気持ちを込めて贈るギフト。米国などの海外では、経営施策の一つとして広く活用されている。

従業員エンゲージメント研究会

-従業員との“接点”を再構築する、
HR戦略とEmployee Experience-

人的資本経営の中でも、主にEmployee Experience(従業員体験)などを通じた従業員エンゲージメントの向上に取り組む実務家が一堂に会する場として、2025年7月に発足。実務に直結する知見を深め、より良い組織づくりを実現することを目指し、課題意識やケーススタディなどを共有するとともに、具体的なアイデアを共に探求する場として期待されている。

人的資本経営への関心が高まる中、「従業員エンゲージメント」は多くの企業にとって避けて通れない経営テーマとなっている。エンゲージメントサーベイの実施や、人的資本経営実現に向けたKPIの設定など、制度面での整備は進みつつあるが、「数値をどう行動変容につなげるのか」「施策が従業員にどう受け止められているのか」といった問いに対しては、依然として試行錯誤が続いている。

こうした実務上の課題意識を背景に発足されたのが、「従業員エンゲージメント研究会」だ。2025年7月から12月にかけて全3回開催された研究会には、人事、広報、経営企画など、エンゲージメント向上に関与する実務家が参加した。狙いは、成功事例を学ぶことではなく、各社が直面している課題や迷いを持ち寄り、実践知として再編集する点にあった。

各回では、基調講演により概念や視点をインプットしたうえで、参加者自身が自社の状況を言語化し、他社の視点と照らし合わせる。これにより、単なる情報収集ではなく、実務に引き寄せた思考が促される場となった。
各回のテーマは以下の通りだ。

・第1回(2025年7月31日開催):Employee Experience(従業員体験)向上への課題意識の共有
・第2回(2025年9月26日開催):「自分事化」を促すEmployee Experience
・第3回(2025年12月3日開催):経営層を巻き込めるような従業員エンゲージメントの効果の可視化~2026年に向けてチャレンジしたいこと~

参加企業一覧(五十音順)
・アスクル
・湖池屋
・JCOM
・JTB
・大和ハウス工業
・東急不動産ホールディングス
・TOTO
・西日本鉄道
・長谷工コーポレーション
・ピジョン
・ひとまいる(旧社名:カクヤスグループ)
・ファンケル

まずは全体の課題を共有

第1回は、「従業員エンゲージメント向上の取り組みが、なぜ思うように進まないのか」を議論した。冒頭では、参加企業の多くがエンゲージメントサーベイを実施し、何らかの施策を講じている一方で、「成果が実感しづらい」「次の打ち手が見えにくい」と感じている実態が共有された。

グループワークでは、業種や規模の異なる参加者が、自社の課題を持ち寄った。例えば、ある企業ではエンゲージメント向上が人事部門の取り組みにとどまり、現場管理職や経営層との接続が弱いことが課題として挙げられた。また別の企業からは、「様々な人事施策をしているが、アクションの効果測定が難しい。サーベイのスコアが上がったときに、本当にそれが施策の効果なのかが確信できていない」といった指摘もあった。

こうした議論を通じて浮かび上がったのは、エンゲージメントを「測ること」と「高めること」の間に存在するギャップである。数値を把握すること自体が目的化し、結果をどのように解釈し、どの行動につなげるのかが十分に整理されていない。この構造的な課題認識が、研究会全体を貫く出発点として共有された。

第1回研究会では、全体で課題を共有した。

「自分事化」という壁

第2回では、第1回で整理された課題を踏まえ、「なぜエンゲージメント施策が従業員の行動変容につながらないのか」という点に焦点が当てられた。議論の中心となったキーワードが「自分事化」である。

参加者のひとりからは、「『本人がなりたい姿』と『会社の目指す方向性』を接続するための手段を考えることが『自分事化』につながると思う。そのため、業績申告の面談とキャリア申告の面談をセットで実施し、個人の業績目標と会社のビジョンを重ねられるようにしている」という意見が挙がった。

そのほか「会社のパーパスをどれだけ従業員が自分の仕事に落とし込んで理解できるかが重要。そのために、社長が熱量をもってパーパスを語ることが重要だと思う。一方、表彰制度は形骸化している部分もあるため、制度の見直しが必要だ」といった意見や、「本当に伝えたいことを伝えるために、タッチポイントをどう作るかが課題。浸透のさせ方や施策を単発で終わらせないための方法などを検討する必要がある。例えば、現場の従業員と社長・役員とのディスカッションをすることで、自社への思いを再認識し、自分事化につなげるなどの方法がある」といった意見があった。

この回を通じて確認されたのは、エンゲージメントは単一の施策によって高まるものではなく、複数の体験が積み重なる中で形成されるという点。自分事化を促すためには、個々の施策を点で考えるのではなく、体験全体を線として設計する視点が不可欠であることが共有された。

第2回研究会では、「自分事化」について議論した。

数字そのものではなく、改善に目を向ける

最終回となる第3回は、これまでの議論を踏まえ、「2026年に向けてチャレンジしたいこと」がテーマ。現在の検討施策、その施策の達成基準(ゴールイメージ)、継続するためのPDCA計画などを共有した。全3回の集大成として、議論の内容を社内に持ち帰り、実際にアクションにつなげるための内容だ。

グループワークにおける議論のポイントは、「経営と従業員の距離感」や「エンゲージメントサーベイのあり方」。経営者と従業員との距離感が近い企業では、経営者自身が積極的に距離感を近くすることを望み、それを言動で表している。また、物理的な距離を近くするための施策を実施したり、コミュニケーションの頻度を高くするための施策を実施したりもしている傾向にある。「ただ、そのような企業であっても、ミドルマネジメント層においては意欲にばらつきがあることもあり、そのことがメンバーのエンゲージメントを左右してしまう」と指摘する声があった。そのため、チームの状況を俯瞰しながら課題を明らかにし、適切なアクションをする必要があるとした。

また、エンゲージメントサーベイによって従業員エンゲージメントの状況を可視化すること自体は有用だが、他方「数字だけに固執するのではなく、結果の分析とそれを踏まえた改善策の議論こそが重要」と結論づけたグループもあった。

体験の全体像設計を

全3回の研究会では、成功事例だけでなく、試行錯誤の途中段階や迷いを共有することで、各社が学びを深めた。

本研究会を通じて整理された示唆は、大きく3点に集約できる。

・従業員エンゲージメントの向上のためには、体験の全体像を設計する必要がある。
・自分事化を促すためには、メッセージと体験の一貫性が欠かせない。
・可視化と改善のサイクルを持つことで、有意義なものになる。

従業員エンゲージメントは短期的な成果が見えにくいテーマだからこそ、全体像を捉え、改善を重ねる視点が求められる。全3回の研究会で共有された実践知は、今後の人的資本経営を構想するうえで、多くの企業にとって示唆に富むものとなった。

第3回のグループワークの様子。

連絡先

株式会社ギフティ

住所:〒141-0022
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