読売広告社都市生活研究所は、住民が街に感じる「愛着」「誇り」などを可視化する「シビックプライド調査」を初めて全国規模(人口10万人以上の278自治体)で実施し、ランキングを公表した。
同研究所は、市民や街に関わる人々が地域に対して持つ意識「シビックプライド」に関する研究を2008年から継続してきた。これまで関東・関西の調査・ランキングを定期的に実施していたが、今回は初めて全国規模で調査を行い、結果概要をランキングとして発表した。
総合ポイントは「愛着(この街に愛着を持っている)」「誇り(この街に誇りを持っている)」「エンゲージメント(この街と自分の人生は切り離せない)」の3指標を合算し、300点満点化して算出している。 総合・愛着・誇りなど各種ランキングの詳細は以下の通り。
交通アクセスだけでなく歴史が重要
総合1位は東京都中央区。銀座などの商業地や勝どき・晴海エリアのタワーマンションの超都心ならではの抜きんでた交通アクセスの良さ、日本橋エリアに残る歴史的建造物や歌舞伎座などの歴史的建造物・伝統文化といった点の評価が高かった。人形町や八重洲など「歩きたくなる個性豊かなまちの魅力」や、本の森ちゅうおうや隅田川テラスなど「公共施設や公園に対する評価の高さ」が、1位獲得を牽引した要素として挙げられた。
総合3位には大阪府高槻市がラインクインした。高槻市は、過去の調査で30位以内には入っていたものの上位進出には及ばなかったが、今回の全国調査で総合3位へ躍進。大阪・京都のベッドタウンとしての交通・生活利便性に加え、「遺跡」という歴史資産を活用した“ストーリー性”の向上、駅前再開発、地域密着型ショッピングセンターの開業、府内初となる子どもの医療費完全無償化などが、ランキング向上に貢献した。
若年層は関西勢が上位、50代以上は東京都心が上位
年代別では、20代・30代のTOP3が「高槻市」「明石市」「西宮市」と関西圏が占めた一方、50代以上では「中央区」「文京区」「渋谷区」と東京都心が上位となり、年代で対照的な結果が示された。 また20代・30代のTOP10内に3つ、九州エリアの都市(鹿児島市、福岡市、那覇市)が入るなど東阪以外の都市が台頭した。
20代・30代が地域へのコミットメントが高いのに対し、50代以上のTOP3の都市は、自分好みの過ごし方ができるか(お気に入りの風景がある、散策や散歩をする)が若年層に比べて高い傾向があった。
都市生活研究所所長 日本女子大学非常勤講師の山下雅洋氏は「都市の若年層は、50代以上と比べると、地域とのふれあいやつながりを感じることをより重視し、実際に地域イベントへの参加や地産地消、地元企業の応援などまちのための様々な活動に時間を割いていることがわかりました。若年層のシビックプライドを高め、まちへの定住を図るには、若年層が主体的にまちと関わる・活動する場や機会をいかにつくるかが、鍵といえそう」とコメントしている。


