モスバーガーを展開するモスフードサービスは1月21日、ドライブスルーの注文対応に音声対話AIを活用する「AIドライブスルー」の実証実験をモスバーガー吉川美南店(埼玉県)で行った。実験では、AIが受注を担い、必要に応じて店舗スタッフがサポートする「ハイブリッド応対」を採用。接客品質の維持・向上と人手不足への対応を同時に狙うもの。
ファストフードのドライブスルーでは欧米を中心にAI音声注文の導入例がある一方で、認識精度やイレギュラー対応が課題として指摘されてきた。そこで同社が採用したのは、AIに全工程を任せるのではなく、人が介在して取りこぼしを補う「ハイブリッド応対」。店舗のホスピタリティを損なわずに省人化を進めるため、AIと人が協調する体制を構築したとしている。
実証で使うのは、New Innovations社が開発した音声対話AIシステム「AI Order Thru」。同社はAIを単なる人の代替ではなく「ブランド体験を拡張する存在」と位置づけ、ブランドごとのガイドラインに沿った対話設計と、標準オペレーションを踏まえた運用設計を前提に開発したという。モスバーガー側は、この“カスタマイズ設計力”を生かしてハイブリッド応対の精度を高め、将来的な店舗オペレーション高度化につなげたい考えだ。
モスバーガーでは近年、テクノロジー活用を段階的に進めている。2020年7月からは、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」の実証実験を開始し、外出が難しい人が遠隔で接客に参加できる仕組みづくりを検証してきた。
今後は吉川美南店を皮切りに、2026年度中に合計5カ所程度へ実証を広げ、そのうち複数店舗での常設を目指す。将来的な構想として、「500キロカロリー以下のセットを紹介して」といった要望に対するスピーディーな提案や、キャンペーン期間中にアニメの人気キャラクターが応答するといった“AIドライブスルーならでは”の展開も視野に入れて検証を進めるとしている。

