世の中の出来事は、思わぬところでつながっている。「風が吹けば桶屋が儲かる」という昔話のように、一見関係なさそうなできごとも、たどっていくと意外な未来につながることがある。「風桶妄想会議」では、そんな“未来のつながり”を、有識者の皆さんと一緒にゆるく、でもちょっと本気で考えてみます。 第1回は「広告業界の風桶妄想会議」。毎年発表している「日本の広告費」「世界の広告費」の調査をしている電通メディアイノベーションラボの森永陸一郎氏に、調査データをもとにした広告業界のガチ未来予測と勝手気ままな妄想をしてもらいました。
皆さんは「広告」と聞いて、どんなイメージを持っていますか?
今、広告の世界はとてつもなく大きく変わろうとしていて、その変化の中心に「デジタル」と「AI」があります。まずは公開されているデータから、“広告はどこに向かっているのか”をみてみましょう。
最新データで読む、世界の広告市場
電通グループによると、“2026年世界の広告費”は5.1%成長の約1兆392億米ドル(約161兆円)で、初の1兆米ドル超えとなる見通し※1です。世界経済の成長率(3.1%)※2を上回るペースで伸びるでしょう。日本国内も、2.9%成長と安定的な成長予測となっています。
1.デジタル広告がますます主役に
デジタル広告は 6.7%成長・構成比68.4% に達する見込みで、広告約7割がデジタルで、スマホやSNS、コネクテッドTV上などで見かける広告が当たり前になっているということです。伸びている領域順では次の通り。
・リテールメディア(ECなどの広告):∔14.1%
・オンライン動画広告:+11.5%
・ソーシャル広告:+11.4%
これらはすべて、「データが多いほど効果が高まりやすい広告」で、広告は“効果・効率”を求めて、データに近い場所へどんどんと寄っていっています。そして、生活者の行動や好みにあわせて広告を自動で最適化する“アルゴリズム広告”が増え続け、AIをはじめとするソリューションの普及がさらに広告効果を高め、広告市場拡大を後押しするでしょう。特にリテール(小売)は購買データを持っているので、宝の山かも!?
2.アジア太平洋地域(APAC、日本も含む)が世界の中心に
地域別では、APACが 5.4%成長で、全世界の36.2%を占有。特にインドは+8.6%と世界トップクラスの伸びが見込まれています。APACは、人口の多さやスマホ普及率などの高さから、これからも世界の広告市場を引っ張っていくでしょう。
※1 出典:電通グループリリース ~2025年12月 世界の広告費予測~(2025.12.4)
※2 出典:国際通貨基金(IMF)による予測(Global Economy in Flux, Prospects Remain Dim, 2025年10月)