「行政らしくない」発信で資料請求2.3倍 長野県が移住先で選ばれる理由とは、Webからリアルに至る「動線」

77市町村の個性を束ねた“オール信州”の設計思想

長野県は、宝島社「田舎暮らしの本」(2026年2月号)で発表された「移住したい都道府県ランキング」で20年連続1位を獲得した。2025年1月号から11月号までの読者アンケートを集計した結果だ。県内への移住者数も増加傾向にあり、2024年度は県外からの移住者が過去最多の3747人(長野県独自に定義して集計)、移住相談件数も全国1位の2万5891件に達した。

20年連続の背景には、県と市町村、民間企業・団体が連携する「田舎暮らし『楽園信州』推進協議会」を軸にした“オール信州”の取り組みがあるという。県担当者に、取り組みの全体像を聞いた。

グラフィック 移住総合Webメディア「SuuHaa」

移住総合Webメディア「SuuHaa」

担当者は20年連続1位を達成できた理由として、「豊かな自然に恵まれ、かつ大都市圏からのアクセスが良い」点を挙げた。

加えて、長野県は県土が広く、10の圏域の中に77の市町村を抱える。地域によって気候や文化が異なり、個性が多様であることが特徴だという。こうした前提の上で担当者は、「『オール信州』での長野県への呼び込みに加え、77の市町村による個性ある地域のPRが功を奏した」としている。

県が「オール信州」の基盤として挙げるのが、2006年に設立された「田舎暮らし『楽園信州』推進協議会」だ。都市圏での移住フェアや相談会の開催、移住相談窓口の設置、移住セミナーの実施、仕事と暮らしをセットで提案するイベントなどを継続的に展開してきた。

協議会が策定した「信州暮らし推進の基本方針」では、情報が溢れるネット世代である若者や女性・子育て世代を重点ターゲットに設定し、情報発信や取り組みを強化しているという。

重点ターゲットへの接点として、県はネット発信を強化している。移住総合Webメディア「SuuHaa」では、「行政らしくない」視点から信州のリアルな暮らし方・働き方を発信している。2021年度にはグッドデザイン賞を受賞し、県内の行政機関が運営するサイトとしては初の受賞となった。2024年は閲覧数が21万件に達し、年々増加しているという。

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