謝罪会見がまるで「新商品発表会」 服装から自己紹介までNGだらけのプルデンシャル、生かされなかったフジテレビ問題の教訓

改めて考えるべき「謝罪会見」の本質

100人を超える社員・元社員による不適切な金銭受領問題を受け、プルデンシャル生命保険が1月23日に実施した謝罪会見。会見では経営陣による謝罪や再発防止策が説明されたが、その内容以上に、司会者の振る舞いや会見運営を巡る違和感がSNS上で拡散し、別の形で炎上を招く結果となった。

この現象を危機管理広報の視点からどう見るべきなのか。東北大学特任准教授で、アステリア執行役員コミュニケーション本部長を務める長沼史宏氏に、会見運営の問題点について話を聞いた。

(左から)得丸博充氏、ブラッドフォード・オー・ハーン氏、間原寛氏

今回の会見は、不正の全体像や被害補償、営業制度の見直しなどについて一定の説明が行われ、経営陣による致命的な失言が相次いだわけではなかった。それにもかかわらず、会見後に注目を集めたのは、司会者の服装や態度、受付での記者対応といった「周辺部分」だった。

長沼氏が最初に違和感を覚えたのは、会見冒頭の司会者の自己紹介だったという。登壇者の紹介後、司会者は堂々とした声でフルネームを名乗り、「どうぞ、よろしくお願いを申し上げます」と発言。その様子はまるで「新商品発表会」のようだったと指摘する。

長沼氏は「謝罪会見の司会者は、登壇者を立てつつ、自身は極力目立たないのが基本です。多くの場合、苗字だけを控えめに名乗るか、名乗らないケースもあります。今回はその逆で、司会者が前に出てしまった印象があった」と話した。

加えて、カフリンクスを着用したファッション性の高いスーツなど、登壇者以上に目立つ装いもSNS上で話題となった。結果として、謝罪会見の本質とは異なる部分に注目が集まり、コメントが連鎖的に拡散していった。

長沼氏は、謝罪会見における広報の役割について、「いかに“面白くない話題”にするかが重要だ」と語る。潔く謝罪し、問題発言もなく粛々と進めば、報道機関の熱量は自然と下がり、早期の沈静化につながる。今回はその逆で、司会者の振る舞いが新たな“話題”を生み、会見を別の文脈で炎上させてしまったと見ている。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ