『銀魂』神回OPを活かしたCMが54万表示、IPコラボで気をつけるべき点は?

ソフトバンクは携帯電話のオンライン専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」のプロモーションで、テレビアニメ『銀魂』とのコラボレーション企画を2月4日から展開している。映画『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』の公開に合わせ、Webムービーから屋外広告、音声広告まで多角的な施策を展開。企画を担当したクリエイティブディレクターの早坂尚樹氏(電通)への取材をもとに、その裏側を解説する。

Webでの話題化を目指した

LINEMOの広告制作はこれまでプッシュ型が中心だったが、プル型の「Webで話題になるものを」強化していくこととなり、そこで早坂氏が率いる若手中心のチームへ依頼するに至った。

LINEMOのサービス特性からもWebとの親和性は高く、今回のコラボレーションは、Webでの話題化を最大化する実験的な施策としてスタートした。

IP選定の鍵は何か?

企画当初、起用するタレントはアニメ・マンガなどのIPに限定されていなかった。しかし、クライアントから「瞬間風速的な話題でなく、ある程度の期間を持続させたい」という要望があった。この要請が、多くの切り口を生み出せるIPの起用を検討することになった。

前日からティザーの匂わせ投稿で大きな反響を呼んでいた

情報解禁時のSNS投稿。アニメ『銀魂』の公式アカウントで投稿されることでファンにしっかりリーチする設計に

IPの中でも特に重要視したのが「企画への理解」だったと早坂氏は振り返る。「元々作品としてギャグというか、ふざけることに許容がある作品がいいなと思っていました。その中で『銀魂』が、ちょうど映画が公開されるタイミングだったのです」と早坂氏は語る。

作品が持つ自由度の高さと、映画公開という時事性が重なり、『銀魂』とコラボしていくこととなった。

コアコンセプトとIPの接続

IPの選定と並行して、キャンペーンのコアとなる企画が立案された。早坂氏は、人気だからという理由だけでIPを起用するコラボレーションに懐疑的だったという。

「なぜそのIPを選んだのか、企画とのブリッジがないキャンペーンだとお互いの魅力を活かしきれないと思っていたので、今回は、まずLINEMOが伝えるべきことを突き詰めた後に、組むべきIPを考えました」(早坂氏)。

LINEMOの最大の訴求点は、「家族割」や「光セット割」といった複雑な条件なしに、誰でもシンプルに安い料金プランを利用できること。この「誰でも平等に安い」というメッセージをどう伝えるかが企画の核となった。

「『誰でも平等に安い』ことを描くために、むしろ各種の割引を使えなさそうな、極端な人を出した方がいいと考えました。例えば、学生じゃないのに学割に入ろうとする人とか、家族に見放されて家族割が組めないキャラとかです」(早坂氏)。

この発想からキャラクターを探す中で、電通のプランナーの三橋侑里氏が「マダオ(まるでダメなおっさん、こと長谷川泰三)」の存在を提案したことが、大きなブレークスルーとなった。『銀魂』にはマダオを筆頭に、個性豊かで濃厚なキャラクターが多く存在する。その豊富さが「誰でも」というメッセージを補強し、キャラクターを「総動員」するというキャンペーン全体のテーマへとつながった。

© 空知英秋/集英社・テレビ東京・電通・BNP・アニプレックス

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