認知と体験を統合する「リテールメディア4.0」へ
━━リテールメディアという言葉が一般化しました。市場やメーカーの反応をどう見ていますか。
メーカーや小売業の皆さまと連携していくにあたり、設立当時は「まずは試してみよう」という手探りの段階にありましたが、ここ1年ほどは、一過性のトレンドではなくなり定着しているという実感を強く持っています。いかに通常のメディアプランニングの中に組み込み、確かな成果を出していくかという、より実践的で本質的な議論を共に深められるようになっています。
━━現在の事業の広がりをお聞かせください。
現在は、ファミリーマート店舗にないカテゴリのメーカーさまからの相談が急増しています。背景のひとつはテレビ離れ。人々の生活動線上にあるコンビニが、若年層をはじめとする幅広い層との着実なタッチポイントとして機能しており、そこに広告価値を見出すニーズが強まっているのです。
また、ドラッグストア等との連携により、購買データ付広告IDは5500万を突破しました。これにより、店頭で認知をつくり、ドラッグストアやスーパーなど他チャネルで実際に購買されたかを検証することが可能になりました。
データの拡充は、分析の幅も大きく広げています。ペット用品や化粧品など、コンビニだけでは追いきれなかった生活領域を網羅できるようになったほか、購買の「質」の違いも可視化されます。例えばコンビニは「自分自身のための購買」、ドラッグストアは「家族のための代理購買」という特徴があります。これらを掛け合わせることで、ひとりの生活者が「いつ、どこで、何を買ったのか」という背景まで見えてくる。こうしたオフラインの確定データがSNSや動画といったオンラインの行動データと紐付くことで、広告主の皆さまに、極めて解像度が高い「購買の文脈」を提供できるようになりました。
このとき、ライフスタイルや悩みが明確であれば、単なる価格や機能だけでなく、その商品が必要とされる背景を捉えた情緒的で深いクリエイティブを届けることが可能になります。例えば、育児で多忙な方がふと自分へのご褒美を求めている瞬間を捉え、その心に寄り添うワンワードを届ける。この「購買という真実」に裏打ちされた表現の深さこそが、ブランド価値を上げたいと願うメーカーの皆さまから支持されている理由だと考えています。
━━SNSや配信サービスなどの外部メディアとの連携も進化しています。
いま手応えを感じているのが「メガウルエンサー」と「TVerなどへの広告配信と購買検証」です。
当社の広告プラットフォーム「co-buy」のサービスメニューとして2025年7月に提供開始した「メガウルエンサー」では、その投稿が実際にどれだけ店舗での購買につながったかをIDベースで計測することが可能になりました。インフルエンサーのフォロワー数と実売数は、必ずしも比例関係にあるわけではありません。商品の魅力を伝え、購買行動を促す力を持つクリエイターを特定できるのは、私たちならではのソリューションです。
また2025年12月には、TVerなどへの広告配信と購買分析を行うサービスの提供を開始しました、店頭の「FamilyMartVision」での同時放映やクロスメディア分析も可能で、視聴データと購買データを突合し、広告接触者の購買リフトを明確に示せるようになりました。
━━今年1月から始動した「ファミマまるごとメディア」についても教えてください。
これは店舗全体をメディアとして開放する試みで、「ファミペイ」のアプリ広告や「FamilyMartVision」に加え、店舗のラッピングや駐車場スペースでの体験会などの実施が可能です。生活者にとって最も身近なリアル店舗で「実際に触れる、体験する」というアクションは、デジタル広告だけではつくれない強い印象を残します。店舗を「身近な体験の場」へ変え、施策の効果を精緻に可視化します。
私たちが提唱するのは「リテールメディア4.0」の世界。リテールメディアはデジタル広告(1.0)、インストアメディア(2.0)、売り場連動(3.0)を経て、デジタル・リアルの完全なデータ統合に「体験」を加えた新たなステージに突入していると考えます。
アプリ「ファミペイ」内の「Digital Partnership Program」では、特定のメーカーやブランド専用の「特設ページ」を開放。そのブランドの熱心な購入者層だけに絞ったコミュニケーションを可能にするなど、長期的な関係構築を支援している。
━━今後の展望をお聞かせください。
日々、店舗やアプリの接点から得られる膨大なデータをより迅速に施策立案に活かすため、AIの活用をさらに進めます。現在も、複数小売にまたがる共通商品マスタの生成や、特定条件でのID抽出シミュレーションなどをAIで自動化し、配信準備から分析までを飛躍的に効率化させています。
私たちのミッションは、単に広告枠を売ることではありません。マーケターの皆さまが「この施策は正しかったのか」を確信し、次の戦略を立てるための意思決定支援を行うパートナーになることです。今後もメーカーさまや小売の皆さまと共に、マーケティング投資の判断をより科学的なものに変えていきたいと考えています。

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