D2CインテリアブランドのN2 interior(N2インテリア)が、InstagramやGoogle広告の次の一手として選んだのはPinterest(ピンタレスト)だった。複雑化する購買ジャーニーの中で「インクリメンタルリーチ」を捉え、AIで運用を最適化する戦略で、ROAS 625%という成果を上げている※1。ECにおけるPinterest活用のヒントについて、「N2 interior」を運営するN2ホールディングス(本社・兵庫県姫路市)の山内俊一氏と、ピンタレスト・ジャパンの井上英樹氏に聞いた。
D2Cブランドが成長の先に直面した壁
「Play with space(空間で遊ぶ)」をコンセプトに、画一的な機能性だけではない、遊び心あふれるデザイン家具を提案する「N2 interior」。2022年、コンサルティング会社に在籍していた山内俊一氏が、インテリア好きだった妻・藤野寛子氏とともに立ち上げたD2Cブランドだ。
「コロナ禍で、家で過ごす時間が増える中、妻と2人で家具の仕入れを始めたのがきっかけです。購入してくださる方が増えてきたことから、ビジネスになると見定めて本格化。審美眼の肥えたミドル〜アッパー層で、『おしゃれだけど、他とはかぶりたくない』という方に向けたブランドとして舵を切りました。経営者や芸能人の方にもご愛用いただいています」と山内氏。
Instagramを中心にファンを増やしていき、2024年にN2ホールディングスとして法人化。その一方で、事業の本格化に伴い新たな壁に直面したという。
「1万人ほどフォロワーが増えたタイミングで、Meta(Facebook・Instagram)広告、Google広告を試し始めました。しかし、個人事業からのスタートだったため、広告運用に割ける時間と人員が限られており、リソース不足を実感。また、購買経路が複雑化する中、『MetaやGoogleだけでは取り逃している顧客層がいるのでは』というタッチポイントの限界も感じていました。『最小限の工数で80点の成果を出し続ける』、そんなプラットフォームを探していました」(山内氏)
商品ごとに適したスタジオで撮影するなど、ビジュアルにこだわりがあるN2 interior。世界観を崩さずに訴求できる、ブランドイメージに合うプラットフォームの選定も重要な課題だった。そんな中、山内氏が活路を見出したのがPinterestだった。
「ショールームを建てる際、設計事務所の方々がPinterestを多用しているのを目の当たりにしました。感度の高いプロが使っているという印象から、我々のブランドイメージを損なわずに訴求できるのでは、と。加えて、以前からShopify(ショッピファイ)とのAPI連携がスムーズだと聞いており、EC事業者として大きな魅力を感じていました」(山内氏)
購買につながりやすいPinterestのユーザー行動
他のプラットフォームとは一線を画すPinterestのユーザーの特性について、Pinterest Japanの井上英樹氏が次のように解説する。
「Pinterestのユーザー層はショッピングに非常に意欲的で、購買力やこだわりを持つ方が多いのが特徴です。実際に調査データを見ると、『ショッピングのインスピレーションやアイデアを得るために使う』と回答した方は43%に上ります。これは、他のプラットフォームの月間ユーザー平均(30%)を上回る数字です。さらに、月間ユーザーの約6割がPinterestをショッピング目的で利用していると回答しています※2。
ユーザーは気に入ったビジュアルを保存していく。その後の購入につながりやすいことがポイント
つまり、プラットフォーム自体がショッピングという一連の流れの中で、漠然と欲しいものを探す段階から、それを具体化し、検討し、実際に購入するところまでを一気通貫で支援できる。この点が、PinterestがECに強いと言われる最大の理由です」
さらに、山内氏が感じていた「タッチポイントの限界」という課題に対しては、主要ソーシャルメディアでアクセスしにくい層にもリーチできるという強みがある。
「Pinterest月間ユーザーのうち、23%はXを、51%はTikTokを、19%はInstagramを利用していないというデータがあります※3。つまり、他のプラットフォームではリーチできない、まったく新しい顧客層にアプローチできる可能性があるということです」(井上氏)
AIで広告運用を加速し、ROAS 625%を達成
N2 interiorは、2024年10月からPinterest広告の活用を開始。ECプラットフォームShopifyの商品カタログのデータをAPI連携で直接Pinterestに流し込み、「カタログ広告」として配信。Pinterest上で商品写真に惹かれたユーザーは、タップすればそのまま購入サイトに流入できるというシームレスな体験設計を構築した。
主要ECプラットフォームとの連携も容易
2024年の手動運用によるカタログキャンペーンでは、他媒体と比較してCPMは75%減、ROASは1.3倍の461%という結果を記録※4。さらに2025年からは、AIによる自動化ツール「Pinterest Performance+(パフォーマンスプラス)」を導入したことで、成果はさらに飛躍した。
他媒体と比較して、「2025年のキャンペーンでは、CPMが79%減、CPAに至っては76%減となり、ROASは625%(1.5倍)に達しました※1。AIが自動で最適化してくれるおかげで、運用工数をかけずに、低コストで高単価の顧客層にアプローチできる。まさに我々が求めていた『最小工数で継続的な80点ライン』を実現できています」(山内氏)
この成果の背景には、ユーザー層の親和性の高さもある。「好きなものを突き詰めて探す」「暮らしにお金をかける」というPinterestユーザーの特性は、N2 interiorの顧客像とも重なる。調査によれば、Pinterestユーザーは他プラットフォームのユーザーに比べ「多少高くても良いものや気に入ったものを買う」「好きなもの・興味のあるものに支出を惜しみたくない」という回答が1.2倍高い※2。
実際に、手に取りやすい価格のインテリア雑貨から、数十万円になるソファやデスクといった家具まで、N2 interiorのプロダクトはPinterest経由ではまんべんなく購入されているという。
Pinterestでは「広告はコンテンツ」になる
Pinterestで広告が高い成果を生む背景について、「ユーザーは未来の計画のために能動的に情報を探しているので、その文脈に沿った広告は『邪魔なもの』ではなく『役立つコンテンツ』として自然に受け入れられます。私自身、ホテルライクなインテリアを探している時に、N2 interiorさんの広告がまさに“有用な情報”として表示された経験があります」と井上氏。
この思想は、N2 interiorのクリエイティブ戦略とも合致する。同ブランドの広告は説明的なテキストを極力排し、インスピレーションを刺激する画像が中心だ。
Pinterestで「ホテルライク」「インテリア」で検索すると、N2 interiorの広告がユーザーにとって違和感ない形で表示される
「インフルエンサーによる発信経由で買うファンの方もいれば、広告経由で初めてブランドを知る方もいます。後者の層にアプローチするには、理屈ではなく、写真一枚でどれだけ心を惹きつけられるかが勝負。Pinterestは、まさにその世界観をダイレクトに届けられる場だと感じています」(山内氏)
N2 interiorは、2025年12月に姉妹ブランドとなる、ステンレス什器に特化した「N2 stainless(N2ステンレス)」をローンチ。Pinterestユーザーには建築・インテリア関係者も多く含まれることから、BtoBへのアプローチも強化していく方針だ。
「新ブランドのローンチ時には、『プレミアスポットライト』という1日ジャック型の広告が認知獲得に非常に有効ですし、セールや季節イベントといった多様な“モーメント”に合わせたキャンペーン活動もご提案できます。ブランドの様々な挑戦に寄り添うパートナーとして、ぜひお手伝いさせていただきたいと考えています」(井上氏)
※1:2025年10月1日~11月21日のキャンペーンデータからROASを算出。N2インテリア調べ
※2:Pinterestの月1回以上のユーザーとその他プラットフォーム(Instagram, TikTok, X, YouTube)の月1回以上のユーザーの平均値との比較。Ipsos社「Pinterestとショッピングに関する調査」(Pinterestより委託、日本、2025年7月)
※3:出典:Global Web Index,2024年1月~12月, 日本 (Z世代=16~24歳)
※4:2024年10月1日~12月31日のキャンペーンデータからROASを算出。N2インテリア調べ
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