メディア芸術祭の後継イベント開催 海外売上20兆円目標のクールジャパン戦略の中核担う人材育成

文化庁は、次世代のメディア芸術分野を担う若手クリエイターの創作活動を支援する「文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業」の成果発表イベントとして「ENCOUNTERS」を2月28日から3月8日にかけて開催している。メディアアート、ゲーム、アニメーション、マンガなど多岐にわたる領域のクリエイター40組による創作・発表活動の成果を一堂に紹介し、次世代のクリエイターが想像力に触れる機会を創出することを目的としている。開催に先立ち、2月27日にはプレス内覧会と開会式が都内で行われた。

メディア芸術祭からクリエイター育成支援へ、文化庁が目指す「切れ目のない」支援体制とは

本事業は、1997年から2022年まで25年間にわたり実施された「文化庁メディア芸術祭」を前身としている。開会式に登壇した都倉俊一文化庁長官は、メディア芸術祭が始まった当時を振り返り、その背景を語った。

「1997年から2022年までの25年間、当時はサブカルチャーと呼ばれてたマンガ、アニメ、ゲームなどのクリエイターたちを育成したいとメディア芸術祭を文化庁は立ち上げた。しかし今やもう、コンテンツ産業が大輸出産業にまで発展して、サブカルチャーどころかメインカルチャーであることは間違いない」(都倉氏)。

メディア芸術祭は、当初、同祭の受賞歴や推薦作品への選出歴があるクリエイターを支援するものだったが、令和3年度(2021年)にその要件が撤廃された。事業は段階的に支援上限額を増額し、令和5年度(2023年)からは従来の「創作支援プログラム」に加えて「発表支援プログラム」を追加するなど、支援メニューを拡充してきた。

さらに文化庁は、従来の単年度予算制度の課題を克服し、複数年度にわたる切れ目のない支援を実現するため、令和5年度補正予算においてクリエイター支援基金(文化芸術活動基盤強化基金)を設立した。都倉長官は「予算は単年度で消化しないといけない。そうすると1つの事業、またクリエイターを複数年度にわたって応援することが難しかった。ようやく基金という形で多年度予算を用意することができました」と述べ、基金が若手クリエイターの映画、音楽、舞台、コンテンツ制作など、あらゆる分野に充てられる理念を強調した。

この基金は、独立行政法人日本芸術文化振興会に設立され、国の予算事業でありながら弾力的かつ複数年度にわたる支援を可能にする仕組みである。令和5年度補正予算で60億円、令和6年度補正予算で120億円(文化庁95億円・経済産業省25億円)、令和7年度補正予算で467.9億円(文化庁175億円・経済産業省292.9億円)が用意されており、5年程度の計画の下、3年間の支援事業として展開される予定だ。

内閣府「コンテンツ産業官民協議会」の文化庁提出資料より

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ