ジャーナリスト・江川紹子氏が警鐘を鳴らす
3月20日は、日本社会に大きな衝撃を与えた「地下鉄サリン事件」が起きた日だ。1995年のこの日、オウム真理教は営団地下鉄(現・東京メトロ)の日比谷線、丸ノ内線、千代田線でサリンを散布した。教祖・麻原彰晃こと松本智津夫ら13人の死刑は2018年7月に執行されたが、現在も後継団体は活動を続けている。若者を狙った勧誘活動も、いまなお問題視されている。
警視庁が公開した「だまされないで。それオウムです。」【勧誘編】
警視庁は3月2日、オウム真理教の現状と勧誘の手口を伝える啓発動画「だまされないで。それオウムです。」を公開した。事件を知らない若い世代への注意喚起を目的としたものだ。
AdverTimes.は、長年にわたりオウム真理教による一連の事件を取材してきたジャーナリストの江川紹子氏に、今回の啓発動画への受け止めや、その意義について聞いた。江川氏は、啓発活動の意義を評価する一方で、「オウムだけでなく、カルト問題全体への対応が必要だ」と指摘する。
今も続く後継団体の勧誘活動
オウム真理教は、教祖・麻原彰晃(松本智津夫)が設立した宗教団体だ。もとは小さなヨーガ道場として始まり、超能力や予言などをうたいながら信者を増やした。1990年に麻原らが衆院選に出馬して全員落選したことなどを契機に武装化が進み、教団はテロ集団へと変貌していく。やがてサリンを生成し、1994年の松本サリン事件、1995年3月20日の地下鉄サリン事件へと至った。
2018年7月には、一連の凶悪事件の首謀者だった松本をはじめ13人の死刑が執行された。しかし現在も、オウム真理教は「Aleph(アレフ)」「山田らの集団」「ひかりの輪」の主要3団体を中心に活動を続けている。警視庁も、松本への絶対的帰依を強調する「Aleph」をはじめとする主流派と、「ひかりの輪」を名のる上祐派が現在も活動しているとしている。
警視庁によると、教団は毎年100人程度の新規信徒を獲得している。特にAlephは、組織拡大に向け、教団に関する知識の少ない30歳代以下の青年層を主な対象として、積極的な勧誘活動を行っているという。
