“権利侵害”で消えた「Sora」 “権利保護”で存在感を高める国産AI「VOICENCE」、NTT西日本の音声CMに注目

「ながら聴き」でヤングビジネス層に接点

米OpenAIの動画生成AI「Sora」の提供終了をめぐるニュースが波紋を広げている。2024年12月の一般提供から1年あまりでの撤退となり、提携先のディズニーにも動揺が広がった。収益性の高い分野へ経営資源を振り向ける狙いがあるとみられる一方、著作権侵害への懸念から、クリエイターから一般ユーザーまで非難の声が上がっており「当然だった」と受け止める見方も強まっている。

一時は映像監督が「自分が撮影したものかSoraがつくったものか見分けがつかない」と語るほど、映像表現の可能性を示した動画生成AIだった。その一方で、今回の失速は「権利」への懸念が一因だとみる向きもある。AIをめぐる逆風とも受け取れる出来事だが、表現の可能性や制作支援の魅力そのものが失われたわけではない。むしろ、「権利保護」を前提にしたAI活用のあり方が、改めて問われている。

そうした中、AIによる表現と「権利の保護」を両立させるサービスとして、NTT西日本のAI音声事業「VOICENCE(ヴォイセンス)」に注目が集まる。

俳優の別所哲也の声をAIで再現した音声CMシリーズ「知っている2人」

俳優の別所哲也の声をAIで再現した音声CMシリーズ「知っている2人」

VOICENCEで1人2役

NTT西日本は3月16日、俳優の別所哲也の声をAIで再現した音声CMを各種音声配信サービスで公開した。VOICENCEの技術を活用したもので、AIで再現された別所の声が上司と部下の2役を1人で演じる掛け合い形式の内容だ。メインターゲットにはヤングビジネス層を据えた。

NTT西日本では、通信インフラの提供にとどまらず、多様な事業を展開している一方で、生活者には依然として「通信会社」というイメージが強く、事業領域の広がりが十分に伝わっていないことが課題だったという。今回の音声CMは、そうした取り組みを親しみやすく伝えることを目的に制作した。

VOICENCEは、NTT西日本が2025年10月27日に社内独立組織「VOICENCEカンパニー」を設置して始めたAI音声事業だ。少ない音声データから本人の特徴を捉えた声色を再現し、その声色を保ったまま多言語で出力できる技術を活用し、音声コンテンツの企画から制作、運営までを手がけている。

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