競馬ファン激怒、立民がJRAのCMを国会追及 背景には競馬広告を巡る、国と業界の泥仕合の歴史

「スポーツエンターテイメント」に活路を見出す

立憲民主党の石垣のり子参院議員は3月26日の参院農林水産委員会で、日本中央競馬会(JRA)のテレビCMが射幸心をあおっているのではないかと指摘した。背景にあるのは、国が依存症対策として広告の射幸性を抑えたい一方で、業界は集客や魅力訴求を維持したいという、長年にわたる綱引きの構図だ。競馬広告をめぐっては、以前から民放連など媒体側の基準に沿って、射幸性の強い表現を避ける運用が続いてきた。

JRAのテレビCM「THE “LIVE” IMAGINATION」篇

石垣氏が問題視したのは、JRAのCMで出演者が笑顔やガッツポーズを見せ、「競馬って、アガる!」と訴求している点だ。JRAの指針では、的中・不的中を過度に強調する表現を禁じているとして、「アガる」という言葉自体が射幸心をあおっているのではないかとただした。

これに対し、鈴木憲和農林水産相は、CMの歓喜は馬券的中ではなく、馬やジョッキーへの応援や感動を表したものだとして、問題はないとの認識を示した。一方、石垣氏は、競馬場はギャンブルの場であり、「アガる」という表現自体が高揚感を通じて射幸心を想起させると重ねて批判した。

Xではこの質疑に対し、「競馬は農業への支援金の原資にもなり、日本の食を支えている」「単なる賭け事の枠に収まらない」「競馬はギャンブルではあるけど、同時にロマンでもある」といった声が上がった一方で、「石垣のり子は全競馬民の敵」「競馬に恨みでもあるのか」といった感情的な反応も見られた。

新規ファンの獲得を狙ったCM

Hello, Special Times.『THE “LIVE” IMAGINATION』篇 60秒 | JRA公式

委員会で取り上げられたのは、JRAのテレビCM「THE “LIVE” IMAGINATION」篇だ。同CMは2025年12月28日に放映された。長澤まさみ、見上愛、佐々木蔵之介、竹内涼真の4人がレースを見守り、多くの観客とともに心を揺さぶられる様子を描く内容だ。競馬の興奮や感動を「競馬って、アガる!」という言葉で表現している。

JRAは2026年のプロモーションキャラクターとして、この4人を起用した。長澤と見上は2022年から、佐々木は2023年から継続起用しており、そこに竹内を新たに加えた。

このクリエイティブの背景には、JRAが進めてきたファン層拡大の取り組みがある。調査データでは、競馬への初参加のきっかけの約41%が「周囲からの誘い」だった。そこでJRAは、2026年のプロモーションキャラクターに競馬初心者の竹内を加え、既存メンバーが竹内を競馬へ誘う構図を採用した。Webコンテンツでも竹内とともに学ぶ初心者向け講座を展開し、未経験層への働きかけを強めてきた。

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