中長期経営方針でサステナブルな成長を うるるが統合報告書で示すストーリーとは

労働力不足問題解決のリーディングカンパニーとして複数のSaaSを展開するうるる(グロース市場上場)は、人的資本に関する情報開示が評価され、金融庁が公表する「記述情報の開示の好事例集2025」に選定された。また、同社は「統合報告書/価値創造ストーリー」も発行しており、積極的な開示姿勢を示している。

意思を持った開示

同社の執行役員CFOを務める内丸泰昭氏は、自社の開示について「開示のための開示をするのではなく、我々が大事にしていることをできるだけそのまま表現することを意識しています」と話す。「好事例集」への選定は、法定開示書類である有価証券報告書の作成を「やらされて終わる」のではなく、意思を持って表現したことによる。

同社の開示は、有価証券報告書だけでなく、統合報告書へと展開している。その背景には、企業経営における大きな転換点と、組織・人材戦略を根本から見直すに至った出来事があった。

役員4人でゼロから再構築

人的資本開示が義務化された2023年3月期。うるるが2023年6月に提出した最初の有価証券報告書は、社内リソースや時間的な制約から、女性管理職比率など、最低限の項目を記載した「ミニマムなもの」だったと内丸氏は明かす。本格的な取り組みのきっかけとなったのは、同年11月に「価値創造ストーリー」(現在の「統合報告書/価値創造ストーリー」の前身)として公開した書類だった。

この書類を作成した当時、同社は前中期経営計画の最終年度を迎え、次なる経営方針の策定を進めていた。その議論の中で、組織・人材戦略を一体で考える必要があった。また、大きな転機として、2023年3月のCHROの退任があったという。長年管理部門を支えてきた存在が組織を去ったことで、人事領域は執行役員としてブランド戦略・人事を管掌するCCO(Chief Culture Officer)の小林伸輔氏ともう1人の役員で分担することになった。組織・人材戦略を、ゼロベースで見直す必要に迫られたのだ。

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