「宣伝会議のこの本、どんな本」では、当社が刊行した書籍の内容と性格を感じていただけるよう、「はじめに」や識者による本の解説を掲載しています。今回は、3月30日に発売した新刊『「意味」ではなく「機能」から組み立てる 働く言葉』(井手康喬 著)の「はじめに」の一部をご紹介します。
それは、「意味」を超えて、
「機能」まで持つ言葉。
私たちは子どもの頃、言葉を「意味」として覚えるところから学びはじめます。英語を学ぶ時も、単語帳を開いて、日本語の意味を書き写す。知らない言葉があれば辞書で調べ、対応する日本語を横に並べる。こうした経験が、「言葉は意味を伝えるものだ」という前提を無意識のうちにつくっているのかもしれません。
けれど、言葉が持っているのは意味だけではありません。ときに意味の枠をこえて「機能」さえも宿す言葉があります。本書でいう「働く言葉」は、まさにそのような言葉です。
ただ読んだだけのはずなのに、ものごとへの印象が変わったり、思わず心や気持ちまで動かされたり、つい行動まで変えられてしまう。そんなひと言が、多くの人、ビジネスや社会まで動かすこともあります。
それは、文字列としての意味を超えて、読み手に新しいイメージや解釈、思いがけない感情や視点を与え、さらには実態そのものまで変えてしまう力を持つのです。
この“働き”や“メカニズム”を理解し意図して使えるようになれば、人を動かし、仕事を動かし、そして社会の一部までも動かすほどの力が、あなたの言葉に宿ります。
「ミスで大量発注してしまいました泣。店長」
という言葉が貼られたことで、お客さんの心が動かされ、店頭で山積みのお菓子は完売した。
「Yes We Can!」
という言葉が、前向きな変化を求めるアメリカ国民に希望と連帯感を与え、史上初の黒人大統領を生んだ。
「推し活」
という言葉ができたことで、日本中に新しい幸福感やポジティブな経済効果を生み出した。
そこに置かれているだけで、人の気持ちや行動をそっと変えてしまう。そんな力を持つ言葉があります。それが「働く言葉」であり、上記の例はその一部です。
