(左から)Que コピーライター/プランナー 上里美向さん、日本マイクロソフト グローバルストラテジー本部シニアGTMマネージャー 加藤友哉さん、Que 取締役/プロジェクトプロデューサー 飯島章夫さん、日本マイクロソフト チャネルマーケティング本部 シニアパートナーマーケティングマネージャー 吉田れいなさん、Que 取締役/クリエイティブディレクター/CMプランナー 岡部将彦さん。
マッチ売りの少女が販売データを分析
日本マイクロソフトが5月に公開した動画「童話シリーズ」は、誰もが知る童話をベースにCopilotの可能性を描いた日本独自の企画だ。たとえば「マッチ売りの少女」篇(109秒)では、マッチの売れ行きに悩む少女がCopilotで販売データ分析やマーケティング施策の立案などに取り組む。やがて成功を収め、FCビジネスのオーナーに大出世する未来が描かれる。
「アリとキリギリス」篇(138秒)では、「冬への備え」を“在庫管理”の課題に置き換えて表現。キリギリスは業務上の準備不足や判断の遅れをCopilotに補助してもらいながら、問題を解決していく。さらに「桃太郎」篇(158秒)ではCopilotで「鬼退治プロジェクトにおける必要なスキルセット」を整理し、仲間に求める条件を具体化。採用活動を成功させるという物語だ。
「2023年にローンチしたCopilotはまだ若いプロダクト。大企業では浸透が進むものの、日本の企業の大部分を占める中堅・中小企業に対し、いかにAIを使うイメージと価値を伝えるかがテーマでした」と語るのは、日本マイクロソフトでCopilotの市場戦略を担う加藤友哉さん。特にイベントや商談など、営業の場面で長期的に使えて“実装”に繋がるかという点も重視した。
「Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsを統合し、業務の流れを中断せず使えることがCopilotの強み。ただ“他のAIとどう違うのか” “活用イメージがわかない”といった声も多くいただいています。だからこそ使う場面が自然と伝わるコンテンツが必要でした」とCopilotのマーケティングを担う吉田れいなさんは説明する。その課題をもとに、Queの飯島章夫さんに相談。「パートナー企業による商談やプロモーションでも使いやすいチュートリアル動画にしたい、という要望もありました」と飯島さんは振り返る。
Microsoft 365 Copilot 童話シリーズ「マッチ売りの少女」篇。
Microsoft 365 Copilot 童話シリーズ「アリとキリギリス」篇。
Microsoft 365 Copilot 童話シリーズ「桃太郎」篇。
「本物の回答」を物語に落とし込む
企画制作には、Queから岡部将彦さん、上里美向さんらが参画した。「初期段階では、“地下アイドル運営がCopilotを使ったらどうなる?”など、SNSでの話題化を重視した案も考えました。ただ中堅・中小企業で働く皆さんに“自分ごと化”していただくという観点も踏まえ、知名度が高い童話のフォーマットはどうか?という方向性が固まっていきました」(岡部さん)。
制作にあたり、どのようなプロンプトだと面白い結果が生まれるか、何度も対話と検証を重ねていった。「使い込むと想像以上に新たな発見があり、AIを活用できる余地がまだまだあると実感しました。リアリティを追求するため、脚本のアイデアやセリフの多くは、実際のCopilotとの対話から生まれたものがベースになっています。キャラクターデザインやアニメーション制作、ナレーション、編集やMAなどはAIを使わず制作を進めました」(上里さん)。
たとえば「マッチ売りの少女」篇で、マッチとライターの市場性をCopilotに分析してもらうシーンがある。ここで登場する「マッチは機能や価格でライターに劣っているから、体験価値に重きを置く方向にシフトすべき」といった答えは、実際の回答を物語に組み込んだものだ。並行してマイクロソフト側でもファクトチェックを実施し、機能やUIの正確性と表現のすり合わせにも時間をかけた。
中でも見どころは、「マッチ売りの少女」篇で主人公の目に炎が宿り、Copilotを使った業務改善へと邁進していくシーン。「少女のセリフも『資料化もお願いしたいのだが!』『やりぃ!』とアニメ調になっていくんです(笑)。声優さんのトーンとも合っていて、編集室で最後の調整作業をしながら盛り上がりました」(岡部さん)。
さらに「桃太郎」篇で海外から犬(ピットブル)が求人に応募し、Teamsでのオンライン面接に臨むシーンもユニークだ。英語がわからない桃太郎だが、Copilotの同時翻訳機能で円滑に会話が進んでいく。「『勇敢で正義感あふれる使命に深く共感したからです』と犬が志望理由を大真面目に語るところはぜひ見てほしいです(笑)」(吉田さん)。
Copilotの可能性はまだほんの一部
公開後、営業ツールやイベントの幕間映像としても活用され、パートナー企業からも「Copilotの使い方をわかりやすく伝えられるようになった」と好評だ。「日本というローカルの市場に適したメッセージと文脈、親しみやすいタッチにこだわったからこそ、得られた反響だと思います」と加藤さん。ちなみに、約20年前にも日本マイクロソフトでは童話を土台にしたPowerPointなどOffice導入のための動画を展開していた歴史がある。これは全くの偶然で制作中に判明し、当時を知る社員からは「AI事業への進化を実感できて感慨深い」との声も聞かれた。
3月にはマイクロソフトが主催するグローバルなAI関連イベントの開催に合わせてデジタルサイネージ広告も出稿するなど、発信を強化しているが「Copilotが本領を発揮するのはまだこれから」と加藤さんは考えている。「今回紹介した機能はほんの一部。社内のあらゆるデータに接続してこそCopilotの機能が活きてくる。まずはAI導入の障壁をなくし、段階を追って強みを訴求していきたいですね」(加藤さん)。
3月には大阪エリア(梅田・淀屋橋)でデジタルサイネージ広告を展開。「Microsoft ユーザーに最適なAIツールをひとつ教えて。と、お手持ちのAIに聞いてみてください。」と呼びかける内容で、各種AIにこの質問をすると「Copilot」という答えが返ってきたというファクトをもとにした、実証型広告。

スタッフリスト
企画制作
日本マイクロソフト+Que+太陽企画+WhiteCo
CD
岡部将彦
企画
上里美向、烏山楽空、吉田龍
CPr
飯島章夫
| Pr | 小野崎毅、治部真輔 |
| 演出 | 永田俊 |
| 監修 | 加藤友哉、吉田れいな、髙野路玄 |
お問い合わせ
株式会社Que

