JR東日本は、2027年度初めに、夜行運転に対応する新たな特急列車の運行を始める。観光では「体験」が重視される傾向にあり、また宿泊費の高騰などを背景に、移動しながら、宿泊費も削減できるとあって、夜行列車の需要が高まっている。新たな移動手段として注目される夜行列車について、JR東日本に狙いを聞いた。
このほど発表した特急列車「ルナ・アズール」は10両編成で、定員は125人、全席個室となっている。春季~秋季には品川駅~青森駅で運行し、上越線や羽越本線を経由する。青森行の下りは品川駅を午後9時頃に出発し、翌日午前9時半頃に青森駅に到着。上りは青森駅を午後4時頃発、翌日午前7時頃に品川駅に到着するスケジュールが想定されている。冬季は昼の運行に変え、品川駅~長野原草津口駅(群馬県長野原町)で運行する。料金は、例えば大人1人、品川駅~青森駅間、グリーン個室利用で、東北新幹線グリーン車+α程度を想定しており、現状では、東京駅~新青森駅で東北・北海道新幹線の「はやぶさ」を利用した場合の乗車券・料金券を含む大人片道1人の料金が2万4180円(通常期・税込み)であるため、これよりは高くなりそうだ。
かつては、東京と各地を結ぶ夜行列車「ブルートレイン」が走っていたが、新幹線のネットワーク拡大、航空機や高速バスの台頭、車両の老朽化などで廃止されていった。東北・秋田新幹線も整備されるなか、なぜいま、夜行列車を導入するのか。それは、観光で重視される傾向にある「体験」と、地域の観光活性化を狙っているからだ。
列車内のイメージ
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JR東日本は、グループ経営ビジョン「勇翔2034」で「地域に活力をもたらし豊かな日本に」と掲げている。こうしたビジョンから、移動そのものに価値を感じてもらおうと、夜行列車の検討を進めてきた。コロナ禍を経て増加の一途をたどる外国人観光客の志向として「体験」が重視されるようになり、移動時間そのものにも楽しみを求めるというニーズが高まっている。そこで、飛行機や新幹線のようなスピードではないコンテンツとして、夜行列車が寄与できるとされ、登板となった。JR東日本は「地域と連携し東日本エリアの魅力ある目的地に多くの方が訪れることで、観光の活性化にも貢献していく」としている。

