「クリエイティブディレクションとは何か?」
それは単に「表現」をまとめる仕事でもなければ、ただ「指示」を出す仕事でもない。本企画では、クリエイティブディレクターが本来果たすべき役割とは何であるのかを、田中直基氏(Dentsu Lab チーフクリエイティブオフィサー)が広告という領域以外の人たちとのインタビューで考えていきます。前編に続き、三宅デザイン事務所のデザインディレクターの一人である宮前義之氏に聞きます(前編より続く)。
それは単に「表現」をまとめる仕事でもなければ、ただ「指示」を出す仕事でもない。本企画では、クリエイティブディレクターが本来果たすべき役割とは何であるのかを、田中直基氏(Dentsu Lab チーフクリエイティブオフィサー)が広告という領域以外の人たちとのインタビューで考えていきます。前編に続き、三宅デザイン事務所のデザインディレクターの一人である宮前義之氏に聞きます(前編より続く)。
余白こそが、人々の創造を前に進める
田中:ものづくりをする上で、受け手である「人」についてはどのように考えていますか?
宮前: イッセイ ミヤケで最も大事にしているのは、「余白」です。作り手側が「こうしてください」と押し付けるのではなく、受け手ができるだけ自由な解釈をできるものが、いいデザインだと思っています。
例えば「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」。プロダクトには素材としても、考え方としても余白があります。体形に関係なく誰もが着ることができるし、パーティーにも、ヨガにも、旅行にも着ていける。使う人が最終的にその服とどう向き合うか。それを楽しむ余白、自分で決める余白がある。つくり手半分、受け手半分。それがイッセイ ミヤケのコアな考え方だと思います。
「A-POC」も自分でハサミを入れて、好きなかたちにアレンジできるという面白さだけでなく、着る人が最終的にデザインに参加できるという点が、21世紀における新しい考え方でした。これまでのカリスマクリエイターが発信する一方通行のデザインではなく、あらゆるものを自由に編集できる。これは服を着る人たちに向けた新しいアプローチとなりました。
