東京アートディレクターズクラブが主催するADC賞2014が発表となった。8715点の作品の中から、本年度のグランプリに選ばれたのは、葛西薫さんの「HIROSHIMA APPEALS 2013」のポスター、環境空間(ヒロシマ平和創造基金、広島国際文化財団、日本グラフィックデザイナー協会広島地区、リクルートホールディングス)。サントリー「ペプシ 桃太郎」のコマーシャルフィルムと接戦の結果、本作品がグランプリに選出された。
この作品の制作について葛西氏は次のように語った。「普段の広告の仕事と伝えるという意味では同じだけれど、目的が異なり、平和について希求するという重いテーマ。取り組むときにとても緊張した。
考えている中では前に進めないようなことがあったけれど、そういう時間を過ごしているうちに、本当の意味での平和とは何かを考える時間が訪れ、あの絵が生まれた。いまのデジタルが進む時代に、ポスターがどれくらいの力があるのかわからない。でも自分としては久しぶりに絵を描く、印刷する、黒1色だけ使うなど、昔に返ったような感じもあり、伝えることの中心をもう一度見ることができたという思いがあり、その作品がグランプリに選ばれたことはうれしかったですね」。
