商品やビジネスモデルの差別化が難しい今、企業価値を高める要素とは? リンクイベントプロデュースの一色顕社長は「社内活性化」に着目。「今こそ社員を重視したインナーコミュニケーションに注力すべき」と語る。
全社員を同じ時間・空間に集めるイベントは、自社の魅力を体感的に共有する絶好のコミュニケーションメディア。
商品が均質化する中で付加価値を生むのは人材
「コモディティ化」という言葉を、近年よく聞くようになりました。情報化が進んだ今、商品やサービスはすぐに模倣され、陳腐化していきます。そうした状況下では、経営者や社員が大事にする理念やビジョン、あるいは企業の文化や組織風土といった目に見えないものが“その企業らしさ”をつくり、他社との差別化要素になります。
GoogleやPIXAR(ピクサー)といった先進企業も人材育成や社内コミュニケーションが非常に重要だと認識し実践しています。今や両社の取り組みは、グローバルでも注目度の高いトピックスです。
一方、日本でも製造業からサービス業へのシフトが進み、「モノづくりからコトづくりへ」などと付加価値の大切さが指摘されています。
今、顧客が価値を見出しているのはモノの機能ではなく、商品の利用やサービスの活用を通じたコトの体験です。コトをつくり出せるのは人です。機械や設備を揃えるよりも、優秀な人材を確保し、働くモチベーションを高めることが重要なファクターになっているのです。
広報部門は、これまでも企業価値の向上のために機能してきましたが、商品やサービスの性能が企業の業績と直結していた時代、価値観が比較的近く、終身雇用での働き方が主流だった時代とは、その役割が変容しています。
