「データをもとにユーザーの動向を分析し、あらゆる手段を駆使してビジネスを成長させる」——ここ数年、IT企業を成長に導くキーワードとして、この“グロースハック”という考え方に注目が集まっている。ただ、その言葉は普及したものの、実際にグロースハックしていくことは難しく、課題を抱えている企業は多い。そうした中で、自社開発のゲームアプリのダウンロード数を350万件にまで成長させ、収益化にも貢献している若き“グロースハッカー”がゲーム会社のアカツキにいる。同社 ゼネラルマネージャー 立山早氏だ。そこで、立山氏にグロースハッカーとして成果を出すポイントから、今後のマーケティングに必要なことまでを聞いた。
アカツキ ゼネラルマネージャー 立山 早 氏
“広告代理店のプランナー”が“グロースハッカー”になるまで
——現在、アカツキで活躍している立山さんは広告代理店出身と聞きました。入社した経緯から、現在の仕事までを教えてください。
アカツキに入社する前は、広告代理店でWeb広告の営業とプランニングを行っていました。クライアントは主にゲーム会社で、アカツキも担当していた一社。アカツキがWebブラウザ専用ゲームからネイティブゲーム市場にシフトしていくなかで、マーケティングの部署を立ち上げることになり、入社することになりました。現在は、「グローバルグロースギルド」という部門を統括しています。聞きなれない部門名だと思いますが、アカツキのヒト・モノ・コトをグローバルに成長させていくという意味が込められています。
——具体的には、どういう役割を持った部門ですか?
総勢で約30名の部門で、役割ごとに3つのチームに分かれています。1つ目が、広告やキャンペーン、タイアップなどを中心に担当するプロモーションチーム。2つ目が、ゲーム内のユーザー動向を分析して、ゲームを改善させていく分析チーム。まさに、グロースハックの大事な部分ですよね。3つ目が、ユーザーからの問い合わせ対応や、各種SNSにあるユーザーの声を収集するカスタマーサポートチームです。
プロモーションチームの様子。
——これまで、この部門でどういった成果を上げてきたのでしょうか?
私たちの看板ゲームである「サウザンドメモリーズ」のアプリを350万ダウンロードにまで成長させることができました。また、“価値提供の対価である収益”を向上させることも私たちのミッションです。ユーザーが長期間ゲームを楽しんでくれるのかという“継続率”や、お金を払うほどの価値を感じてくれるのかという“課金率”、ユーザー一人当たりの課金額である“ARPU”を注視し、ゲームそのものの改善をしています。