将来も残り続ける「広告代理店の価値」はどこにある?

複雑化していく広告代理店ビジネス

画像提供:shutterstock

私はかつて広告代理店の営業担当でした。そのため、いま広告主側にいて「広告代理店とのパートナーシップ」について考えると、複雑な思いを抱きます。

広告代理店と広告主の関係には、さまざまな歴史的経緯があります。現在、世界的なネットワークを誇るメガエージェンシーは、「代理人」というその名の通り、広告主企業のグローバル展開と一緒にオフィスを増やしていくほど、ビジネスネスパートナーとして密接な付き合いをしていました。

ビジネスコンサルティングやマーケティングリサーチといった専門性の高い機能も、かつては広告代理店にとって重要な業務領域でした。それが次第に、クリエイティブやメディア、ダイレクト、プロモーションといったマーケティングコミュニケーション領域に集約され、高度に専門的になるにつれて、二極化していきます。

その一つは、業界の変化に合わせて柔軟に専門的な機能に特化していく小規模から中規模のショップが多く生まれていくこと。もう一つは、そのようなエキスパートであるショップの集合体として、少数の大規模資本が生まれ、コングロマリット化していくことです。広告代理店ビジネスは競争的に複雑になっていきますが、それはマーケティング領域の拡大やテクノロジーの進化、メディア業界の推移、そして広告主のビジネスの変化に伴った必然的な流れと言えるでしょう。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 2323 / 2903 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ