企業の未来を担う優秀な人材獲得のために、各社は創意工夫して就活生向けの採用サイトを制作している。特に、広告業界では自社の魅力やクリエイティビティを表現するためにユニークなサイトをつくる企業も多い。そんな中、博報堂と博報堂DYメディアパートナーズの採用サイトは、ターゲットである大学生のみならず業界関係者も毎年こぞって試すほどの異例の人気を博している。その採用サイトの制作を担当しているのが博報堂アイ・スタジオのテクニカルディレクターの齋藤陽一さんとアートディレクター・デザイナーの竜沢賢吾さんだ。人気を集める採用サイトの制作の裏側について話を聞いた。
斬新なコンテンツに込められた狙い
—2017年度の博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの採用サイトでは「HAKUHODO FUTURE ME」という、応募者に「未来の職種」を想像させるユニークなコンテンツを作られていますね。この企画にいたった経緯を教えてください。竜沢:
博報堂アイ・スタジオは約10年前から博報堂の採用サイトを作ってきました。特にここ数年は、会社情報だけでは伝わりきらない魅力を紹介しようと考えており、3年前に「平均博報堂社員」というバーチャルOB・OG 訪問ツールを発表しました。若手社員約500人のデータから博報堂社員の平均的な顔を導き出してつくったバーチャル社員に、就活生がオンライン上で質問するというコンテンツです。
その流れから生まれたのが、昨年の「HAKUHODO DNA」でした。
顔認証という体験的なギミックを取り入れ、自分の顔写真をアップロードすると博報堂社員の顔の傾向から「ストラテジックプラニング顔」や「コピーライター顔」といった診断結果を楽しんでもらえる企画です。この企画は本当に話題になり、就活生のみならず、すでに広告業界で働いている先輩たちも試してくれ、「自分は何顔だった!」と話題になりました。この「HAKUHODO DNA」は2016年のADFESTで賞をもらうことができ、大きな反響がありました。
そして、今年の「HAKUHODO FUTURE ME」です。過去2年の企画をさらに進化させ、「未来の職種顔」を診断させることで、就活生に博報堂で働く未来像を描いてもらおうと企画しました。


