多くの人が24時間365日持ち歩いているスマートフォン。ハイクオリティでリッチな動画コンテンツを閲覧できるスペックを備えるものの、消費者行動の断片化が進む中では長尺の動画は敬遠される傾向にある。そんな時代のコミュニケーションに最適なコンテンツとして、GIF動画への注目が高まっている。今回は、GIF動画をファンとの関係構築に有効活用している川崎フロンターレの事例を紹介する。
川崎フロンターレ 事業推進部 広報グループ 吉冨真人氏
GIFMAGAZINE 代表取締役社長/CEO 大野謙介氏
「試合観戦」以外の接点をつくり、ファンとの関係強化に努める
「クラブの考えや活動を知ってもらうことで、愛着や親しみ、誇りを持ってもらいたい。好きになってもらえたら、家族や友人、恋人など大切な人を誘って、スタジアムに来てもらえると思うんです」–そう話すのは、J1クラブ・川崎フロンターレの広報を担当する吉冨真人氏だ。この考えの下、同クラブはかねてからイベントを中心としたプロモーションに力を入れてきた。
川崎浴場組合連合会、日本相撲協会、そしてNASA……一見サッカーとは縁遠く見える団体ともコラボレーションしながら、「試合観戦」以外のサポーターとの接点を積極的につくり、コミュニケーションをとってきた。
「もちろん、最終的なゴールは試合を観戦してもらうことですが、まずはクラブのことを知り、親しみ、関心を持ってもらうことを重視しています。『選手がユニフォームを着てピッチを駆け回る姿』だけではない、別の側面を見せたい。サポーターの一人でもある私たちWeb担当スタッフが『見たい!』と思えるコンテンツを、他のサポーターにも共有したいという思いで取り組んでいます」。
そうした地道なファンとの関係構築の一環として、同クラブは近年、デジタルを活用したコミュニケーションにも注力している。