スパイスボックスは8月9日、宣伝会議東京本社(東京・港区)にてセミナー「生活者に“語られる”ブランディング動画のつくり方」を開催した。ショートショート フィルムフェスティバル & アジアの諏訪慶氏をゲストに迎え、プロダクトのコモディティ化が加速する時代において、消費者から選ばれるブランドになるための動画活用について意見が交わされた。
第1部:マーケティングファネルから考える動画プロモーション戦略とKPI設計
登壇者:スパイスボックス 副社長 物延 秀氏
第1部はスパイスボックス 副社長の物延秀氏が登壇。ブランディングを目的とした動画を制作していくうえでの考え方について講演を行った。まず物延氏は、現在が企業のコミュニケーション戦略における大きな変革期にあると分析する。
「スマートフォンとソーシャルメディアの普及に伴い、既存のメディアだけでなく、一般の生活者までが情報発信するようになったことで、情報の爆発に拍車をかけている。そして長引く経済減退による急速なコモディティ化によって、マーケティングの世界も大きく変化しつつある。その最たる事態が、商品認知が向上しても購入にはつながらないという現象である」
モノ・コト・情報があふれる時代では、商品・サービスの価値を単に伝達するだけでは生活者の心に響かない。そこで新たに求められているのが、生活者から選択されるための「共感を促進する」ための施策づくりだと述べる。
「これまで動画制作における効果測定の指標となっていたのは、再生回数や完全視聴率、離脱率などだった。そのため、再生回数を伸ばすための『釣りタイトル』などが度々、問題視されてきた」
これでは動画本来の目的である「視聴してもらうことで好意形成につなげる」という視点が欠如している。そこで、好意形成につながる動画コンテンツ制作のポイントを「シェア動画」と「コア動画」に分けて解説した。まずシェアされる動画の価値について次のように話す。

