雑誌コンテンツの価値が改めて評価されている、そんな実態をまとめた『雑誌広告2.0』の発売を記念し、雑誌をリサーチにフル活用しているという『売れるしくみをつくる マーケットリサーチ大全』著者の菅原大介氏をインタビュー。ビジネスパーソンが、雑誌を読んだほうがいい理由とは?
—菅原さんは、ユーザーのイメージづくりやデータを分析する時に、雑誌を参考にされているそうですね。菅原:
僕は調査会社を経て、事業会社に移り、今はリサーチデータをどうビジネスに活かすかという立場にいます。そこで気づいたのが、事業会社は、もっとリサーチを使いこなせるはずだ、ということ。リサーチの使い方や組み合わせ方によって、サービスや商品にもっと活かせるのに、まだ十分でないのが残念で。それでリサーチ活用のノウハウをまとめた本を書いたのですが、その中に、「雑誌の活用法」という項目を加えました。
もともと雑誌は好きでよく読んでいましたが、ビジネスを意識して読むようになったきっかけは、今所属している会社で、新規事業であるセレクトショップの開業責任者になったことでした。
ショッピングサイト発のリアル店舗なのですが、物件もコンセプトも決まっていない状態から半年後には店を立ち上げて成功させるというスピード感のプロジェクトでした。お客様を想定して、商品を選び、どれだけ在庫を確保するか。店はどういう内装にするのか。悩んだすえに雑誌を参考にすることを思いつき、より深く読んで分析するようになったんです。
雑誌をマーケター視点で見ると、ターゲット層(読者)が明確に設定されていて、その人たちにどういうものがウケるのか教えてくれる「流行カタログ」のように見えます。しかもありがたいことに、商品・サービスについての情報を詳しく説明までしてくれています。