古木一本一本にストーリーがある
山翠舎は、1930年に創業した木工所(建具屋)から始まった会社です。10数年前から古民家のKOBOKU(古木)を活用した設計・施工を手掛け、現在では業界NO.1の店舗実績を誇ります。
山翠舎が考える古木とは、古民家(戦前に建築された民家)から入手する古材の中でも、人々の想いや愛着のこもった上質で価値あるもの。いわばストーリーのある古材を“古木”と定義しています。歳月(100〜300年)を経るだけではなく、昔の職人たちの手仕事の結晶が垣間みえるものです。
例えば、「囲炉裏で燻され黒光りする表面の、ツヤとぬくもり」「何代も家族の歴史と共に歩んだ傷」「古の匠の手斧の傷」。小さいころに自分の身長が伸びていくのを柱に記した経験のある人もいると思います。こうしたものを私たちは古木と読んでいます。
古木は質の高いものが多いことも特徴です。「満月」に木は、大地から水を吸収します。今となっては年中木を切っていますが、かつては、含水率が低く硬くて丈夫なうえ害虫もつきにくい「新月伐採」(新月に木を切ること)が行われていました。また、古民家を丁寧に解体すると、柱のホゾ(突起部分)に建築した年と棟梁の名前が彫られた貴重なものも多く、古木の存続を願う先代の想いを踏襲した移築の施工例もみられます。
このような古木を使うことで、お金では買えない、人のぬくもりや、やすらぎの空間をつくることができるのです。
みんなが笑顔になるKOBOKUのエコシステム
古民家の空き家は、現代の社会問題ですが、古木の貴重な資源ともいえます。KOBOKUのエコシステムは、古民家の持ち主はもとより、事業者、利用者、地球環境や未来の全てにおいて「全方よし」。山翠舎ではこういった好循環をKOBOKUイノベーションと捉えており、将来は古木を使い、日本昔ばなしのテーマパークをつくりたいと構想を膨らませています。
昨今、「古民家」のインターネット検索数は10年前の約3倍となり、スターバックスやブルーボトルコーヒーが古民家を使ったカフェをオープンするなど、ちょっとした古民家ブームが起こっています。こういった時代の好機に、古木の素晴らしさに気づいてもらうきっかけになる動画を期待しています。
