※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。
自分の遺伝子解析が身近な時代に
高橋さんが代表をつとめるジーンクエストでは、個人向けに日本人などアジア地域の遺伝情報に特化した大規模遺伝子解析サービスを提供しており、「(届いたキットで)採取した唾液を返送していただいて、その唾液からDNAを抽出し、DNAの配列を調べて、(その方の)健康リスクや体質、祖先の情報など300以上ある項目を解析した結果をお知らせしている」と説明します。
300以上の項目を解析するフルパッケージ版「ジーンクエスト ALL」(税別29,800円)と、目的に合わせて特定の項目に絞ったミドルパッケージ版「ジーンクエスト LITE」(税別14,800円)の2種類から選択することができます。
予め自分のゲノム(遺伝情報)を知ることによって、「将来的に自分がどんな病気になりやすいか、自分がどういう体質なのか、健康診断ではわからないような情報を知ることができ、予防のために役立てていただいている」と高橋さん。
ヒトゲノムが解読されたのは2003年と歴史は浅いものの、「以前は1人のゲノムを解析するのに100億円くらいかかっていたんですけど、そこから急激にゲノム解析コストが下がって50万分の1くらいになり、イノベーションとなった」と言います。
現在はさまざまな研究領域で活用されるようになり、「例えば医療分野では、がん治療のときに、自分の遺伝子に合った抗がん剤を選択するなど、実際に(利用)され始めている。それ以外にも、食、睡眠、ストレス、栄養、美容などいろいろな領域で(遺伝子レベルで)自分に合ったものを選択できる流れになってきている」と解説します。
医師ではなく研究の道を選んだワケ
医師の多い“医療一家”という環境で育った高橋さん。「まず医師になるか、ならないかの2択から始まって、父の職場を見学させてもらったとき、(医師として)患者さまの病気を治していくことも非常に素晴らしいことなのですが、私はそもそも“(ヒトは)なぜ病気になるのか”とか“病気にならないようになんとかできないものか”と、もっと前の段階のことを幅広くやりたかった」との思いから、研究の道へ。

